第三十四話 少年期P
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がお弁当を!?」
「作ってないッ! 孫=俺という認識をいい加減取り消せ!!」
おじいちゃんが今言ったお孫さんは、正真正銘血のつながったお孫さんらしい。なんでも副官さんと年が近い方のようだ。へぇー、どんな人なんだろう。
「でもお昼を一緒とかいいんですか?」
「かっかっか、子どもが遠慮なんかするでない。儂から2人にお小遣いもやるから、おいしいものでも食べに行ったらいいさ」
「奢り! おじいちゃん太っ腹!」
「本人無視して話を進めないでください。そして私はお小遣いをもらう年ではないですから!」
そんな感じで色々あったが、休憩時間がもったいないのとお腹がすいたままなのはあれなので、一緒にお昼ご飯を食べにクラナガンの街へ出ることになった。今から食堂だと混雑しているらしいし、転移があるから行き返りも楽なため外に出ることにしたのだ。日差しが暑いので、早めに店を見つけようと思う。
俺と同じように店探しのためにきょろきょろしていた副官さん。すると、その目がふいにピタッと止まった。歩みも止まり、立ち尽くす副官さんにいい店が見つかったのかと嬉々として俺は声をかけた。
「どこか良さそうなお店が見つかりまし―――ぐほッ!」
いきなりヘッドロックをかまされた。
「あいつは確か…」
「え、何? 副官さんの知りあ―――うごッ!」
さらに襟首を掴まれ、壁の方へずるずると引きずられた。これ完全に誘拐現場です。お巡りさん助けてくださーい。……いや、わかっているよ。この人がお巡りさんであることは。
よくわからないが俺絶対何かに巻き込まれている。ようやく動きが止まって解放された俺は、掴まれていた襟首を直し、いつも通りの副官さんをにらみつける。こんにゃろう。さっきおじいちゃんと2人きりの時に教えてもらった『副官さんドッキリわくわくお誕生日パーティー』をさらに盛大なものにしてやる。
「副官さん、いきなりどうしたんですか」
「……間違いない。ブラックリストに載っていたやつだ」
「リストって」
それってつまり次元犯罪者がいたってことか。俺は副官さんのように身を潜め、そっと窺ってみる。そこにはたった今店から出てきた副官さんよりも背が高く、大柄な男が現れた。フードをかぶっていたため顔はちらっとしか見えないが、確かになんか怖そうな人だ。その人を副官さんは射抜くように見ている。
え、これまずくない。俺はサッと血の気が引いた。ここで物語の主人公とかなら犯罪者成敗! みたいな感じで戦って勝利するとか考えられるだろう。でも、俺はそんなことできない。襲われたら一溜まりもない。しかももし相手が魔導師だったら? 犯罪者が非殺傷設定をしたまま魔法を放つわけがない。これは早く逃げた方がいいんじゃないか。
「副官さんここは
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