第14話
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だろう!? え、一人一切れずつしか用意されてない? そうか、それは仕方ないな……。 しかし、これは俺のだ。 これは俺のだぞ。 大事だから2回言ったぞ!!
「では、いただきま〜す」
ぱくりとキッシュを食べる。 口に入れる瞬間に、セシリアと箒が「あぁぁぁぁ」とか言ってたけど知らん。
歯がタルト生地のベースとふんわり卵を挟み、噛み切る。 チーズの芳しい匂いが鼻を通り体に広がる。 具はひき肉のうまみがしっかり閉じ込められていて、口の中で解放されたうまみ成分が口いっぱいに広がっていく。 細かく切られた野菜やきのこもしっかりと火を通してあり、香ばしい。 極めつけはやはりチーズだろう。 芳ばしく香り、鼻を突き抜けていくほどの濃厚なチーズの味がひき肉、野菜に絡みつき、とてつもないハーモニーを口の中に生み出していく。
こ、これは……!!!!
「う……」
「う?」
「どうどう?」
期待のこもった目で見てくるクラスメイト一同。 ここはしっかり意思表示をしておかないと。
「う、う」
「ふんふん」
「うをろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ……、まずぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!!!!」
「えええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!」
なんだこれ!!! めちゃくちゃ旨い感じできてたくせにめちゃくちゃ不味いぞ!!!! え!? みんなマジでこれ旨いって思ったの!? これ、人間の食いもんじゃねぇだろ!!!
うそ、俺だけ味覚が変なの? もしかしてこれ男だけまずくなるようにプログラミングされてるとか!?
「あっはっはっは!!!! まさか一夏にあたるとは!!! 流石、クラス代表!! おいしいところを知ってるね!!!」
驚愕の表情を浮かべる俺とクラスメイト達、その時、大笑いと共にこの惨事を仕掛けた張本人がやってきた。 てか、やっぱり風音が作ったもんには罠があったか!!!!!
「風音!! いったいどういうことだ!?」
「風音さん!? これは一体!?」
風音に問いただす箒とセシリア。 ま、まて、きっととんでもない切り返しが待っている……。
「これ? 『ロシアン・キッシュ』だよ? 同時に焼いたはずのキッシュなのに切り分けたときどこかの一辺だけが異常に不味くなるように作ってあるんだ。 すごいでしょ!!」
すごい。 確かにすごいが、なんで今出したんだ!? そして、なぜおれにそれがあたったんだ!? 明らかに何かしらの悪意を感じるんだが……。
「まぁ、セシリンの見た目めちゃくちゃおいしそうなサンドイッチなのに味がめちゃくちゃなサンドイッチに比べればなんてことはない料理だけどね」
いやいやいやいや、サンドイッチなら意図的に一つ不味くするとかできるけど、キッシュみたいに一
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