第14話
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子と話をするたびに、箒とセシリアから尋常じゃない殺気が漏れ出てるけど、気のせいだよな?
グ、グルルルロルロロロルロゥゥゥゥゥォ……
飲み物などをチビチビと飲みながらソファにゆったりと座っていると、放課後の訓練後で空いていたお腹が咆哮をあげた。
チョット、ハズカシイデス。
「ぷ、すごい音だね。 織斑君お腹空いてるんだ、じゃぁ、これどうぞ。 友永さんが作ったとってもおいしいキノコのキッシュ(卵とクリームを使って作るフランスの郷土料理)だよ」
そう言って、俺の前に一切れのキッシュを置いてくれる。 ふっくらとしたキッシュはとても旨そうで、ボデイビーストが暴れまわっている今の俺にはとてつもなくうまそうに見えてしまった。 しかし……、しかしだ諸君、風音が作ったというのが引っ掛かる。 考えてもみてくれ、あの『風音』が作ったものだぞ。 きっと何かあるに違いない。
「風音が作ったもの? おいしいって本当か? 実は料理が下手とかそんな落ちはないよな? 見た目だけいいとかそんな落ちは……」
「え? とってもおいしいよ? 友永さんおいしいものが食べたいからって自分で作っちゃうらしいよ!! しかもすごくおいしいの。 試食させてもらったけど、お金払って食べてもいいぐらいだと思ったからね!!! セシリアさん、篠ノ之さんも食べてみて!!!」
ものすごく押してくるクラスメイトの子。 そこまで言うほどの旨さなのか……、ちょっとだけなら……。 いや、でも……。 ほら、やっぱり……ねえ。
「む? 風音が作ったものだと? いただこう!!」
「ええ、風音さんが作ったものとあれば食べないわけにはいきませんわ!!」
俺を挟む二人は何の躊躇もなく目の前に置かれたキッシュを口に運ぶ。 何も疑っていないその表情がどれだけゆがむのか、それを見極めるために、俺はすまないと思いながらも二人の反応を注視してしまった。
二人の口が、ほぼ同時にキッシュを食む。 その瞬間、あの箒とセシリアの顔が極限まで緩んだ!!!
「ほぁ」
「ふぇ」
とてつもなく緩んだ顔でキッシュをほおばる二人。 どんだけ旨いんだ!!? セシリアとか、めちゃくちゃ良いもん食ってんじゃないのか? ちょっとまて、じゃあ俺も食う!!! そこまで美味いんだったら俺も食う!!!
「うんうん、おいしいでしょ? みんなそんな反応になるんだよねぇ。 織斑君はやっぱりいらない? じゃあ、ほk「食う!!!!!!!!」……あ、ど、どうぞ……」
おっと、ついつい大声を出してしまった。
ごめんごめんと謝りながらキッシュを受け取る。 においも見た目も実に旨そうだ。 おいコラ、箒とセシリア。 そんなに物欲しそうな目で見るな。 これは俺のだ。 そんなに欲しいならとってくればいい
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