第三幕その六
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・・・・・・・・」
テーブルの上に崩れ落ちた。それを見届けスカルピアは席を立った。
「コロメッティ」
名を呼ばれコロメッティが入って来た。
「解いてやれ」
ちらりと崩れ落ちているトスカを見下ろしつつスカルピアは言った。コロメッティは敬礼しつつ問うた。
「全てですか?」
「そうだ」
「解かりました」
再び敬礼しコロメッティは退室した。スカルピアはトスカに歩み寄り覆い被さる様に彼女に顔を近付け問うた。
「あの人に逢わせて・・・・・・」
「駄目だ」
「そんな・・・・・・」
「真実を」
トスカから離れ再び問う。トスカは身体を起こした。スカルピアは睥睨する様にトスカを見下ろしている。扉が目に入った。立ち上がり駆け寄ろうとするがその前にスポレッタが立ちはだかった。
力無く崩れ落ちた。だが扉に顔を付ける事は出来た。
「マリオ」
恋人の名を呼んだ。暫くして声が返ってきた。
「フローリアか」
恋人の声を確認出来少し安堵した。
「大丈夫、ねえマリオ、大丈夫?」
扉越しに必死に声を掛ける。
「僕は大丈夫だ。落ち着くんだ、いいね」
「ええ、けど・・・・・・」
「いいね」
「はい・・・・・・」
トスカはそう言って扉にもたれかかった。スカルピアはその後ろへ音も無く近付いて来た。
「ふむ、まだ言わないか。スキャルオーネ」
扉の向こう側へ話し掛けた。
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