第三幕その五
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た嫉妬に過ぎませんでした」
スカルピアは探る様に目を動かした。トスカは心の中を覗かれているのではないかと感じた。
「そうでしたか。ではこの邸に侯爵夫人はおられなかったのですね?」
「はい。あの人一人だけでした」
背中を冷たい汗が伝った。その悪寒に思わず身震いした。
「一人?確かですね」
「嫉妬深い者は例え髪の毛一本であろうとも見逃しません。絶対に一人でした」
トスカが激昂してきた。スカルピアはわざと背を引き姿勢を正し自分を大きく見せてきた。
「本当に?」
「間違いありません」
背を屈めてきた。顔をトスカに近付ける。
「何か妙に興奮されてますね。まるで自分が誰かを裏切ってしまうのではないかと怖れている様だ」
「そんな事はありません!アッタヴァンティ侯爵夫人は確かにこの邸にはおられませんでした!」
キッとスカルピアを見激昂しつつ言った。スカルピアはそれに対し両手で押し止める様に制した。
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