第三章
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いた。
吉峰は無言でその馬尾を見た、部活は酷い有様だった、馬尾は生徒達にこれ以上はないまでに暴力を振るった。
そして部活が終わるとだった、吉峰jは自分の竹刀と防具、剣道着を全て持って学校を後にした、それからだった。
そうしたものを全て小学校まで通っていた道場に置いてだった。
散髪屋に行った、そこで自分の頭を丸坊主にしてもらった。
それから彼は部活には行かなかった、剣道は道場ですることにした。
それでだ、共に道場で稽古をする彼、吉峰に退部を勧めていた彼にこう言った。
「よくわかったよ」
「そうか」
「あいつのことがな」
「パーマ刈らなかったな」
彼も見ていた、そのことを。
「見事なものだったな」
「ああ、そうだな」
「そういう奴のところにいても仕方ないだろ」
彼は吉峰にこうも言った。
「そうだろ」
「そう思う、本当にな」
「それでも剣道は続けるんだな」
「だからこっちに全部持って来たんだよ」
竹刀も防具も剣道着もだというのだ、無論手拭もだ。
「もうあそこには戻らないさ」
「それがいいな、あいつはとんでもない奴だ」
「前からそう思っていたけれどな」
これまで以上にだ、そのことがわかったのだ。
「人に教える資格のない奴だな」
「少なくとも剣道をやる資格はないな」
最早その時点で駄目だった、馬尾は。
「ここで剣道をやるさ」
「一緒にやろうな」
吉峰は二度と部活に戻らなかった、剣道部はこのことからもさらに問題が起こり続けた、全て馬尾が原因だった、吉峰はもうただそれを外から見ているだけだった、道場で確かな人に本物の剣道を教えてもらいながら。
丸坊主 完
2013・5・27
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