第五話〜調練〜
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はり彼が………私の『探し人』か)
それを最後に徐盛は意識を完全に手放した。
「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
「何で当たらねぇんだ!!」
「単体でかかるな!全員で仕掛けろ!」
場所は中には、そこには10人を超える新兵の姿があった。
否、その場に倒れ伏している者を含めたら40人弱。
そして意識のある者はみな何かを警戒し、怯えている。その『何か』とは…
「これで残り10人…」
ドサッという音と共にその10人の新兵のうちの一人が崩れ落ちる。その背後には木の枝で肩をポンポンと叩く一人の少年の姿。
「集団でかかるという戦法はとても有効です。戦場に出た時も常に多対個の状況を作り出すように心掛けましょう」
この言葉のうちにまた3人の意識を刈り取られた。
その場に残る新兵は残り6人。
「さて刻限はまだまだ先ですか。ならばさっさと終わらせて、皆さんに話をしましょうか」
呟きの終わりと共に江の姿は霞のように掻き消える。
突然の消失に新兵は驚き、あたりを見回す。
ドサッ
「お、おい!また一人やられ…」
ドサッ
「何で見えないんだ!あいつは化け物か!」
ドサッ
「背後の警戒を頼む!俺は前方を…」
ドサドサッ
「さぁ、ここもあなた一人ですね」
最後に残った相手はもはや戦意を喪失し、顔面は蒼白になっている。
腰が抜け、膝ががくがくと哂い、そして失禁している。見るも無残とはこのことかもしれない。
「残念ながら、先ほどのは『見えない』わけではないのですよ。ただあなた方の意識を誘導はさせてもらいましたがね」
バシッ
中庭に木の枝で何かを叩く音が響き、その直後、人の倒れる重い音がした。
「さて、これであと一人ですね」
そして江は、標的がいるであろう眼前の林を見据えていた。
少女は中庭での攻防を見て戦慄していた。
いや、彼女が目にしていたものはもはや攻防と言うには余りにも一方的であり、その事実が攻めている側の少年の実力を如実に示していた。あれは最早蹂躙だ。少女は背筋の凍る思いをせざるを得なかった。
(完全に見誤ってしまいました…)
少女―姓は周、名は泰、字は幼平という―は油断をしてはいなかった。
もちろん『鬼ごと
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