第五章
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「冬の海は暗くて沈んで」
「まるで鉛なのよね」
「お空も暗くて」
見上げるとそこにもサファイアの世界がある。ただ上のサファイアの中には白い魚達もいる。
「もう見ているだけで暗くなって」
「津軽海峡とかもうね」
演歌の話にもなった。
「凄いから」
「雪?」
「そう。暗い中に雪が降るのよ」
「ううん、それはそれで絵になるけれど」
「鉛だから」
今私達がいるサファイアの世界ではない、断じて。
「それと違って今はね」
「奇麗ね」
「うん、奇麗よ」
私に満足している笑顔を見て言ってくれる。
「だから今からね」
「珊瑚礁も見てね」
「スキューバダイビングはできないけれど」
私達にその趣味はない。マリンスポーツとは縁がない。
「上から見てね」
「そうね。楽しみましょう」
「上から見ても奇麗だから」
海の中で楽しく見るだけじゃない、珊瑚礁は上から見ても充分に奇麗だ。
だから私もこう言ってだった。そのうえで二人で、他の観光客の人達と一緒に珊瑚礁を身に言った。その珊瑚礁もそこにいる生き物達も奇麗だった。
青い海の中に珊瑚の巨大なリングがありそこで小さな魚達、熱帯の海の様々な色の魚達が泳いでいた。それはここにしかない光景だ。
沖縄にしかないものも見て私達はまた満足した。それから舟を降りてまた町中を歩いた。
その中で彼女は今日もこう言った。
「じゃあ今夜もね」
「そうよね。今夜もね」
「飲みましょう」
こう絵蒼で私に言ってくる。
「泡盛ね」
「とにかく泡盛なのね」
「今日は何で飲もうかしら」
「昨日と大体同じでいいんじゃない?」
「ゴーヤチャンプルとか?」
「足てびちとかミミガーとかね」
それにラフテーも忘れられない。
「勿論そーきそばもね」
「今晩も沖縄料理満喫ね」
「そうそう、山羊」
私はこれも思い出した。
「山羊も食べないとね」
「山羊のお刺身ね」
「それも食べないとね」
「そう。それも食べよう」
「それじゃあそれも食べてね」
こうして今晩も沖縄料理を食べに行った、そして実際に楽しく飲んで食べる、この日も泡盛と大きな輪料理を楽しんだ。
次の朝もやっぱりお風呂のお世話になった、それから。
二人で首里城も行った、だがこの日でだ。
「夕方ね」
「夕方に空港で」
「そう、帰りましょう」
「向こうに着いたら夜ね」
「大体そんなところね」
「夜に大阪に着いて」
関西新空港だ、そこからだった。
「神戸に戻って終わりよ」
「何かあっという間だったわね」
「旅行だからね」
旅行は楽しい、だからこそ時間が過ぎるのも早い。
若い娘みたいに海に入って楽しむことはしなかったけれどそれでもだった。お正月のこの旅行はだった。
とても楽し
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