第34話 日常に事件の影は潜むようです
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「フフ、兄さまも、眠っていると可愛いものだな……。」
私達は今、屋上に来ていて、実は憧れの一つであった膝枕を兄さまにしてやっている。
させて貰ったとも言うが。
「ん、エ、ヴァ………。」
サラ サラ
「ぬ……?な、なんだ、寝言か。フフン、夢の中にまで私が出て来るとはな。
兄さまは本当に私の事を――」
「アリア、と……仲良くしてくれ……ってばーー……。
ああぅ…『神虎』は出すな………すぅ…。」
・・・・・・すまない。しかし、波長が同じすぎるのだ。
過去とか、想いとか・・・・身長とか。
サラ サラ
「大体、兄さまが悪いのだ……。こんなに綺麗で、カッコイイから。」
かれこれ二時間は撫でているが、全く飽きてこない真っ白でさらさらの髪。
御伽噺に出て来る姫の様な寝顔。
眠っている時はふにゃっとしていて・・・・可愛い!!
ゴホン。でも、起きている時は吸い込まれる程カッコイイ笑い顔。
・・・・兄さまの事を好きだから、そう思うだけかも知れんな。
「ネギくーーーーーーーーん!!」 「ネギせんせーーーーーー!!」
「うわああああああ!!助けてーーーーーーーーーー!!」
ええい、無粋な!!またあの小僧か!!
天才と言われていようが、所詮は十歳。教師の見えない仕事までは出来る筈も無く、
そのしわ寄せの仕事はほぼ全て兄さまに来ている。
それだけでなく日々心労を与えて居るというのに、束の間の休息まで奪う気か!!
「うぅぅぅ……野菜、野菜がぁぁぁ………。」
サラ サラ
「大丈夫だ、兄さま。兄さまは休んで居ていい。」
いらん雑音を結界で防御し、苦悩している兄さまの頭を撫でる。
・・・・少しでも、私は癒しになれているのだろうか?
Side out
Side ノワール
「うわあああああああああああああ!!!」
さっきから五月蠅いわね。一体何をしているのかしら、あの子は。
せっかくエヴァがシュウを労っているというのに、原因の子は騒いでいるだけ・・・。
学園長もそうだけれど、シュウも暇潰しにしては苦労しすぎな気もするのよね〜。
「まぁ、それをフォローするのが私達の役目なんだけれどね。」
保健室の外に出て少し歩くと、見えてきたのは・・・・・
若干脱げ掛けたスーツのネギ君と、追いかけている生徒達。
「………この匂いと、あの子を見た感じ。ホレ薬かしら?
全く、あれを作るのは法律で禁止されているのに。メルディアナは何を教えているのかしら。」
簡単に作れる上に、他人をある程度自分の意のままに操れる魔法薬はそれなりに存在する
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