【パズドラ】殴って、青龍カリンちゃん! 五話 〜ヘラ降臨〜
[1/6]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「ぴえーっ!」
「うわー。やっぱりいつ見ても可愛いね! 可愛いね!」
「えー、私あんまり好きじゃない……」
「どうして? こんなに可愛いのに」
「だって、ダンジョンのボスやってた時にいっぱい見てきたじゃん。それに私たちの攻撃を半減するから嫌い」
最終進化したセイレーンとリリスをボックスから出して、自宅の庭でしばらく遊ばせていた。
一緒に呼んだ道化龍・ドラウンジョーカーを、セイレーンは体をあちこち触っている。可愛いからというのもあるのだろうが、その目は珍しいものを見る時の眼差しだ。
それも仕方ない。世の中色々なモンスターがいるとはいえ、ドラウンジョーカーはとてもドラゴンとは思えぬ奇妙な格好をしている。
顔はピエロのような化粧をしていて、黒が基調な丸いフォルムにはオモチャを連想させるようなカラフルに彩られている。装飾めいた体の一部分からはミステリアスさが感じられる。セイレーンはドラウンの背中についているパペットや、片方は闇夜、もう片方は夜明け前の色合いで作っている翼を物珍しそうに見たり触ったりしている。
しかし、ビジュアル的な意味で人魚を仲間にしたかった俺としては、セイレーンの体やアメジストみたいなロングヘアーを触りたい。リリスもいい。明らかに誘っているとしか思えない、ベルトを巻きつけたようなファッション、いかにも小悪魔という感じのツノや翼や尻尾も興味があるが、触れたら手に持っている大きな鎌で八つ裂きにされそうなので自制している。というか、二人とも幼い体型をしているので、犯罪臭がぷんぷんするから困る。……年齢的には大丈夫だと思うのだが。
「ぴえーっ! ぴえぇーっ!!」
「わ。ごめんなさい! ……やっぱりこれって目玉なんだ。ボタンみたいだけど」
「なるほどー、次戦う時は目玉を狙えばいいのね」
「ぴ、ぴえっ!」
「ちょっとリリスちゃん、そんないじめないでよぅ……」
「アンタも一歩間違えればイジメになると思うけど……」
今日、こいつらをボックスから出したのには理由がある。出しておけと言われたのだ。
こいつらが必要だってことは、これから何するかというのはおよそ想像がつく。リリスとセイレーンはダンジョンに潜るくらいしか分かっていないようだが。
しかし、いい加減気づいてほしいものだ。この禍々しい夜空に、草木のざわめきに。ただごとではないんだ、と。
まぁ、あいつが現れないと、まとまった話もできない。そろそろ来てもいい頃合いだが……。
「おい、ここだ」
声が聞こえた方向を振り向く。自分の横にある木、その枝に絡みつく蛇がこちらを見ていた。
やっと現れたか。俺は声をかける。
「遅いぞ、オーディン。それにその姿はなんだ? いつものダンディーな姿はどうしたんだよ」
「冒険者の目を盗むためだ。私もこの時期になると忙し
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ