【パズドラ】殴って、青龍カリンちゃん! 五話 〜ヘラ降臨〜
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が優勢。だけどこれがいつまで続くものか……。倒される要素は限りなくないが、倒せる要素も薄い。防戦一方。ドラウンはセイレーンのサポートをすべく回復の準備をしているし、オーディンはグングニールにパワーを込めている。セイレーンも回復に忙しく、なかなか攻撃できない。虹の番人も周囲の状況を把握しながら、自分の出番を確認しつつの攻撃になる。リリスとエキドナは攻撃力が低い。
ヘラが攻撃して、ほぼ全員で守りの体勢を整える。これが何十回も繰り返された。
はたから見たら波がなくてつまらないだろう、この戦い。しかし、こちらは一回ミスをするだけで命取りになる。そんな状況が何時間も続いているのだ。全員の疲労感はマックスを超えているはずだ。
「おい、何をぼーっとしている! 早く私の回復をするんだ!」
「む、無理です! 魔力補給速度が追いつかなくて――」
「大丈夫よ。私がヘラを石みたいにしたから。しばらくセイレーンちゃんは休んでなさい」
「ありがとうございますぅ……」
「よく頑張ったわね。いい子いい子」
「え、えへへ……」
「それで、オーディンさん。グングニールの準備はまだかしらね? せっかく私が動きを止めたんだし、今がチャンスだと思わない?」
「うむ。パワーも十分込められた。ただの的になっている内に打ち込むのが得策だろう」
そういって、オーディンはグングニールをヘラに向かって投げる。
見事に心臓を貫いたそれは、命中したところから光の力を弾けさせ――。
ヘラを文字通り、打ち砕いた。
勝った。
ついに、勝ったのだ。
長かった戦いが終わったのだ。
眩しさが収まると、ヘラがいた場所に金色の卵を発見した。
「それでは、私は主の元へ戻る。今日最後の仕事だったが、なかなか楽しかったぞ」
そういって、オーディンは去っていった。今度は蛇にはならず、愛馬を呼び出して、華麗に走る。
今日はとても疲れた。初めて、神を自力で手に入れたのだ。喜びと疲労が渦を巻いた気分で自宅を目指す。
そういえば、カリンのご機嫌をとらないとなぁ……。これも骨が折れそうだ。
自宅が見えるところまで歩くと、消したはずの明かりがついているのに気づいた
泥棒か? いや、泥棒にしては大胆すぎる。それなら俺のモンスターが勝手にボックスから出てきたのかな?
玄関の前まできて、ドアノブに手をかける。
あぁ、今日は疲れているから、どうか面倒なことじゃありませんように――。
ぱんぱぁーん!
ドアを開けると、クラッカーを持ったエプロン姿のカリンが出迎えてくれた。
「ヘラ降臨クリア、おめでとうネー!」
「……あ、ありがとう」
「んー? なんでそんなにテンション低いアルか? もしかして、クリアできなかったアルか?」
「いや、クリアはできたけど……ちょっと、
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