【パズドラ】殴って、青龍カリンちゃん! 五話 〜ヘラ降臨〜
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ていれば、雑魚相手に手こずることは本当になかった。
どんどんダンジョンを進んでいき、ついに最深部……ヘラのもとへとたどり着いた。
「よくここまで来れたわねぇ」
ついにヘラのご登場だ。俺はその姿を前に、一瞬意識を失いかけた。
これまで見てきたモンスターとは明らかに格が違う禍々しいオーラは足の先から赤い髪の毛の一本一本までにじみ出ている。悪魔であることを示すかのようなツノ、翼、尻尾、肌色。それらは典型的な形をしているが、それはつまり象徴的であるということだ。悪魔らしい悪魔。その根本を作っているのが、今目の前にいるヘラなのだ……って、ヘラって確か女神だよね!? なんで悪魔みたいな格好してんの!?
まぁ、そんなことはどうでもいい。俺が一番ヘラに着目しているのは……。
彼女は、ナイスバディということだ。
出ているところは出ていて、引っ込んでいるところは引っ込んでいる。それに加えてややムチムチ。エロい。淫魔のリリスよりもエロい。というかリリスは淫魔のくせに乙女チックな性格をしている。この間、肩をつかんだくらいで「ひゃあっ! ちょ、ちょっといきなり触らないでよ! ケダモノ!」と言って俺を殺しかけた。淫魔のくせに……。
冒険者なら誰もが夢見る。エロい女の子を仲間にすることを。そして、ようやく願いが叶うのだ。
「ちょっとぉ〜。そこの人間の顔が気持ち悪いんだけど……アンタたちの飼い主?」
呆れたような顔でヘラが俺を指さす。ジト目もいいな……じゃなくて、ついニヤけてしまっていたのか。これでは仲間に示しがつかない。俺は急いで真剣な顔つきに整えた。でも、ジト目のヘラもいいなぁ……。ぐへへ。
「え、えぇ……なんというか、ごめんなさい。ちょっとお兄さん! しっかりしてよ!」
「フォフォフォフォ」
「な、なんだよ……そんな顔してないって……」
「いーやー、しーてーまーしーたー! なによ、まったく」
「い、いいから! さっさと始めるぞ! とりあえずリリスは毒撒け!」
俺の合図で全員が戦闘態勢に入る。なんだかんだいって、素直に言うことを聞いてくれるやつばかりだ。
リリスの使い魔の蛇がヘラに噛み付く。遅効性なので一見効いていないように見えるが、長期戦になる今回では非常に有効だ。
「ふん、こざかしい。こんなので私を倒せると思っているの、か、し、ら!」
ヘラが手に持っていた不気味なほど強力な魔力を放った。暴走した暗黒のパワーはダンジョンを四方八方破壊しつくし、戦う前の何倍もの広さになっていた。瓦礫が俺たちに振りかかる。
しかし、ドラウンとオーディンが被害を最小限に抑えてくれたおかげで、全員ほぼ無傷で済んだ。オーディンが守りに使った体力をセイレーンが癒してくれる。
「ちっ、私に挑むだけはあるわね。手間がかかる奴らは嫌いだわ」
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