【パズドラ】殴って、青龍カリンちゃん! 五話 〜ヘラ降臨〜
[2/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
くてな。あちこち引っ張りだこになるので、この姿をとる必要がある」
「多忙の中ご苦労様。引っ張りだこの中、俺を選んでくれるのは光栄だな」
「我が主のためだ。冒険者は、他の冒険者とのつながりを保たねばならぬのでな」
「でも、つながりだって選ぶだろ? あんまり使えないやつと仲良くしたって仕方ない」
「我が主は誰彼構わず交流を深めるのが信念。好き嫌いはしない。だからこそ、毒も飲んでしまうのだがな」
「なんか嫌なことでもあったのか?」
「今日は特に多い。己の実力を過信する人間のために動くことほど滑稽なことはない。こっちはやられ損だ」
「俺のことはどう思う? ヘラは倒せそうか?」
「ヘ、ヘラぁっ!?」
ここでやっと、リリスは気づいたようだ。セイレーンはドラウンばかりに気を取られている。
「なんだ、今更気づいたのか」
「ヘラって、あの暗黒の女神でしょ? そんなのに、なんで私たちが挑まなきゃならないのよ!」
「オーディンに相談したら、お前らがいいって言うからだよ」
「はぁ!? 意味分かんない!」
「知恵者のオーディンが言うんだから大丈夫だろ。な、オーディン?」
「厳密には『セイレーンとリリスがいれば大丈夫』ではない。『セイレーンとリリスがいないと無理だ』ということだ」
「それ、どういうことよ?」
「他のメンバーで行ったら確実に負ける、ということだ」
「……正直にありがとう。まぁ、だからお前に相談したんだけどさ」
「さて、後二体分入れられるが、どうする?」
「あぁ、ちょっと待ってろ」
俺は自室にもどり、候補のモンスターを呼んできた。
「なんアルか、このおっさん」
戻った頃にはオーディンは蛇からもどり、人の形で待っていた。シブい顔立ちに、戦闘向きだという高貴な服装。暑い日にも絶対外さないマフラー。どれも緑で統一されていた。よかった、今日は緑色だ。ブルーな時のオーディンは戦いにおいても強くないからな。今日は機嫌がよくなさそうだが、これなら心配いらない。
「おっさん言うな。これでもかなり若作りしているんだから」
「余計なお世話だ」
「こいつは命護の青龍・カリンだ。最近のお気に入りで、水・木・闇が揃ってるから一応連れてきた」
「ふむ。その横にいるのは、紅蓮の女帝・エキドナか」
「はーい。また私が必要な感じ?」
エキドナは蛇のような下半身で人型の上半身を持ち上げ、見下すかたちで閃光のような金色の長髪をかすかに揺らし、炎をまとった双剣でジャグリングしている。自分は絶対に必要とされている確信に満ちた目つき。その態度に見合うほど、彼女は頼りになる。
「エキドナはほぼ確定でいいと思うが、どうかな?」
「そうだな、エキドナは連れて行くべきだ」
「ん? どこか行くアルか?」
「あぁ、ちょっとヘラぶちのめしに行くんだけどさ」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ