第二幕その二
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叩かれている。善良であるが消極的で人付き合いも不得手でありかつ無気力な人物の為彼と親しい者も少ない。
何やらそわそわと歩き回っている。何か気になる事でもあるのだろうか。不意に誰かに呼ばれた。
「侯爵、どうなされました」
アルトゥーロ=カヴァラドゥッシ伯爵である。ゼノアでの武勲により王妃から直々に勲章を賜ったのだ。
「あ、伯爵、どうしてここに?」
「オルロニア公爵夫人に頼まれ事がありまして。侯爵を呼んで頂きたいと」
王妃付きの女官である。金髪碧眼の長身の美女であり頭の回転が早い。王妃の側近である。
「どちらです?」
「こちらです」
大広間を出て廊下を挟んで前にある階段の前に夫人はいた。何やら意味ありげな微笑を浮かべている。
「侯爵をお連れ致しました、マダム」
「有り難うございます、伯爵」
「どう致しまして。では私はこれで」
「ご武運を」
アルトゥーロ=カヴァラドゥッシは二人に一礼し階段を降り宮殿を後にした。すぐ馬に乗りマレンゴに向かった。
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