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【新約】魔導循環〜Magical circulation〜
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力が尽きると同時に、サヤも地面に倒れこんでしまう。

「やった……完璧……だわ……!」

 魔方陣から漏れる輝きは本物だ。それを闇がつつんでいき、漆黒の光に塗り替える。

 その時だった。

 突然、魔方陣が異常な輝きを放ち始めた。文様が所々消えかけ始める。

「!?……なによこれ!そんな……術式は完璧だったはず!!」

 サヤは全く認めようとはしないだろうが、実は彼女の詠唱は完璧などでは全然ない。
 
 そもそも魔術を使用するに当たって重要な《術者階梯(キャスター・レベル)》が全く足りていないのだ。

 《天使召喚:大天使》の《術式階梯(ウィザーズ・レベル)》は5。《堕天属性付与》の階梯は7。それに対するサヤの《術者階梯(キャスター・レベル)》は3。レベルが到底足りない。

 そんなものでは、召喚ができたことすらが奇跡。いや、術式を唱えることができた時点で奇跡だ。彼女もそれなりに優秀な人材だということなのだろう。


 閃光。

 爆発。

 部屋の中が黒煙に包まれる。

「ゲホッ!ゲホッ!……な、なによ、もう!!」

 次第に煙が晴れていく。

 そして、先ほどまで魔方陣があったところは粉々に粉砕され、下地が見えていた。

「あちゃ〜……ん?」

 崩壊した床の中心。そこに、何者かが突っ立っている。

 それは、年のころ八歳から十歳ほどの少年だった。髪の毛はくすんだ金色。瞳の色は狂喜を封じたようなクリムゾンレッド。顔の造形はまだ幼く、纏っている服は古代ギリシャか古代ローマ風のものだった。歴史に詳しくないサヤにはよくわからないが……。

「き、君は?どこから入ってきたのかしら?」

 すると少年は、サヤをじっと見つめて、見た目どおりの高い声で、ちょっと年不相応な物言いで答えた。

「貴様が召喚したのであろう?この俺を。まったく。雑魚の分際でこの栄えある大天使ウリエル様を堕天させ、あまつさえ縛り付けるとは。しかも見よ。貴様の実力が足りないせいでこのような童子の姿になってしまったではないか」
「え……??」
「『え……??』ではないわ無礼者が!!よいか、この俺は栄えある大天使ウリエル!本来貴様のような雑魚が召喚していい存在ではないのだ!!跪け!!跪け!!そしてこの俺に詫びるのだ!!」


 つまり、この少年が。

 ――――――大天使、ウリエル?



「えええええええええええええええええええええええ!?」
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