Chapter-4 第13話
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時だけ、勇者ロトの旅に付き合ったこともあるんだぜ。アリアハンってのは異世界にある王国でな、とてもいい場所さ。ただ、勇者ロト一行の後をこっそりつけて、ここにきたってワケさ。勇者ロトが大魔王ゾーマを倒して、アリアハンへ帰れる穴が閉じてしまって、俺は一生ここで過ごすことになった。勇者ロトと仲間たちは、精霊ルビスのご加護で、アリアハンへ帰れたのだがね。俺はお呼ばれ出なかったからな」
「アリアハン……そこが勇者ロトの故郷と言うわけですね」
ハルカは異世界の存在を知っていたので、聞き慣れない地名でも驚かなかった。男の正体には少し驚いたが、勇者ロトの、秘密の情報が知れたので、少し嬉しかった。
「でも、貴方は勇者ロトの知り合いでも、仲間ではなかったのでしょう?どのようにして、“太陽の石”の存在を知ったのですか?」
「ああ、勇者ロトが上の世界に戻った後、城のものに聞いたんだ。変わった男が太陽の石を待っているから、勇者ロト様がその男に太陽の石を渡したとな」
太陽の石を待っている変わった男、それがハルカを待っていた老人と同一人物なのだろうか?本当に変わった人だ、とハルカは思う。
と、男は苦笑いをしながらこういった。
「おっと、大分口を滑らせたね。このことは誰にも言うなよ。まあ、いずれ、別の誰かがお前に話してくれるさ。精霊ルビス様もお前に会いたがっているだろうし」
「何故そんなことが分かるのです?」
「精霊ルビス様が俺に試練を与えてくださったんだ。そのときにルビス様はそう言っていたんだ」
「そうですか。……では僕は失礼します」
「ああ。気をつけてな」
ハルカは雨の祠の方向へ歩き出した。
(まだ、僕にはやる事はたくさんある。それが終わるまでは、ここ、アレフガルドを離れるわけにはいかないんだな)
そして雨の祠にたどり着く。入り口には雨(というより水滴)を模った紋章があった。
中には一人の老人――賢者が立っていた。奥には見慣れない、緑色の渦巻く空間が広がっていた。
「おお、お前は勇者ロトの子孫か」
「はい、ハルカと申します」
「ハルカか。さて、太陽の意思を持っているようだな。第一段階はクリアしたというわけか。次はわしからだ。ガライの町は知ってるね?そこにはガライの墓というダンジョンがある。そこにはガライの遺体と共に銀の竪琴が置かれているという。それを持ってきてもらいたい。その試練をクリアすれば、雨雲の杖を授けよう」
ガライの墓。ハルカは旅立って間もない時に訪れた際、その話を聞いた。そこは本当にダンジョンで強い魔物がうようよいる。犠牲者も出たくらい危険な場所で、結界が張ってあるという場所だ。
賢者の話からして、もうハルカは結界を破れるレベルであると判断したのかもしれない。
当然、ハルカはその話を引き受けた。
「分かりました。必ず、銀の竪琴をこ
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