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DQ1長編小説―ハルカ・クロニクル
Chapter-3 第12話
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なテーブルマナーを習得していた。「さすが、ローラ姫ですね」というと、「王女として当たり前のように習いましたから。お母様から」と優しい笑顔で答えた。
ハルカとローラ姫は幾つか会話を交わした。内容は救出してからのたびの思い出。そしてリムルダールとマイラの宿屋での夜のひととき。宿屋の夜での話をすると二人は揃って顔を赤くする。幸い、その様子は誰にも気付かれてはいなかった。
楽しいひとときはあっという間に過ぎ、夜になった。

夜、宴は終わっていた。人々は眠ったり、まだ別のところで飲み明かしたりしている、
ハルカは城のテラスで一人佇んでいた。
「ハルカ様」
「ローラ姫、どうしたんです?もう夜遅いですよ?」
「ハルカ様こそ」
ローラ姫はまだ宴のときの美しいドレスの格好のままであった。
「何だか…眠れなくて。ローラ姫もですか?」
「ええ。それに、私、ハルカ様に救出お礼の贈り物をするのをすっかり忘れていましたのです」
「救出お礼の贈り物?」
「ええ!」
ローラ姫は嬉しそう後ろに回した手を前に出す。そこには一つの、きれいな箱があった。
そしてそれをあけると、二つの美しいペンダントが現れたのだ。
「これは二つも僕にですか?」
「いいえ。片方一つですわ。…えっと…こちらですわ。お母様が亡くなる前、私に下さったものですが、一つの少し小さいほうが私の、もう一つの少し大きいほうが心から愛する人の物という事なんです…。だからこの少し大きいペンダントを…」
二つのうち、少し大きいほうのペンダントをローラ姫は嬉しそうにハルカにそっと手渡した。
ハルカも顔を赤らめ、嬉しそうにペンダントを手に取った。
「ありがとうございます、大事にしますね!……ん?」
手にしたペンダントふと見ると、“RAIL”という文字が刻まれているのを見つけた。
(レイル……?なんだろう……?)
ハルカが首をかしげていると、横でローラ姫がつぶやいた。
「あら?私のペンダントに“PLATINUM”って文字が…」
「姫様には別の文字が?僕のには…」
ハルカはその文字が刻まれている物をローラ姫に見せた。
「まあ…そういえば、お母様が言っていたわ。これは…異世界にいたときから持っていた物だって…私驚きました。お母様がここの世界の人ではなかったのです。それと、実はいつの日だったか、お母様は『二つのペンダントがやっと揃った。これでやっと娘に渡せる』と大喜びしているのが聞こえていたんです。でも私には何のことだか…」
「…そういうことが…。うーん、実は…僕の父さんもそうらしいのです。母さんが亡くなる直前にかかれた手紙に、僕のフルネームと誕生日と、父さんが異世界から来た人で、僕が特別な人だということが書かれていたんです…」
「まあ…。もしかしたら、私達、結ばれる運命だった…………とかでし
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