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DQ1長編小説―ハルカ・クロニクル
Chapter-3 第12話
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です。ただ、怖いのです……」
ローラ姫は堪らずにハルカに抱きついた。ハルカは優しくローラ姫を抱き返す。
「その気持ちは解ります。竜王はとても強いものでしょう。でも大丈夫ですよ。僕は負けません。僕は生きて帰ってきますから」
「……はい!」
ローラ姫は涙ながらに微笑んだ。
その様子を見ていたのは……国王である。
その表情は、少し寂しそうであった。
(わが娘ももうすぐ15……まだ成年という年齢ではないが、もう子供ではないんだな。もしかしたら、手放すことになるかもしれん。もし私が反対しても、ローラは勇者ハルカと旅に出ると聞かないかもしれない。勇者ハルカが次代国王になればよいが…)
と、色々悩んでいる様子であった。意外と(?)鋭い。
悩みながら、国王はこっそりと部屋を覗くのをやめにした。
ハルカとローラ姫は気付いてはいなかった。監視役の兵士は一応気付いてはいたが、止めはしなかった。それこそハルカとローラ姫にばれないようにする為である。

そして、宴が行われた。
いつも行われているらしい宴より酒は少なかったが、それでも、人々は喜びに包まれていた。
「一時だけかもしれないが、喜びを味わおうではないか!」
歓声は響く。
ハルカは特別にローラ姫の隣に座らせてもらえることになった。
「あ、あの、僕、テーブルマナー、自信ないんですが」
ハルカが1人戸惑っていると、国王が話しかけてきた。
「そなたは普通でよい。汚くても城の者が綺麗にするからな。戦士団は荒っぽい食べ方をするものも多いと聞くし。そなたもそうであるかは分からないが」
国王に言われ、肩の力が少し抜けたハルカ。
「それじゃあ、わしは失礼するぞ。ローラ姫とたくさん話して良いからな」
案外、国王は優しいなとハルカは思ってた。国王はローラ姫を溺愛していたと聞いたから、嫉妬で引き離すかと思ったら、ローラ姫の隣に座らせてもらえたのだから。
国王としては、二人の仲を反対しても良いことは無いと判断してのことだった。いつまでも亡くなった王妃のことを引きずっても仕方の無いことだ、と二人の様子を見て、気がついたのだ。まあ、唯一の心配は跡継ぎではあるが。
「……でもハルカ様、それほど汚くはありませんよ。マナーとは少し違いますが、綺麗に食べてます」
ハルカはマナーどおりの食べ方とはいえなかったが、ナイフとフォークの扱い方は上手く、皿は少しだけ汚れただけで済んでいた。
「ええ。あまりいくら国王が良いといっても、僕はみっともない食べ方は出来ませんから」
「ハルカ様って真面目な方ですのね。そんなところも素敵ですわ……(ぽっ)」
ハルカは何も言わず微笑んだ。元から食べ方には気をつけてはいたほうだが、ローラ姫の前だから尚更注意を払っているのかもしれない。そう、ローラ姫の前だから。
一方のローラ姫は完璧
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