Chapter-3 第12話
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であった。
ハルカにも歓声は上がっている。たった一人で、危険な仕事を成し遂げたのだ。ローラ姫を救出する為、多くの人が命を落とした。ある時、とある戦士団員の男は重傷を負った兵士を見たと言う。彼が声をかけると「もうダメだ。もう、ローラ姫救出隊は全滅した……。私ももう命は尽きるだろう……」と答えていた。あの兵士はその後、ラダトーム街の教会で休んでいるという。危ない状態だと言う。
男は「だから、お前のやったことは名誉なんだ」と言っていた。
あの、セサヴァーはとてつもなく強いドラゴンだったのだ。
(そうか僕は……)
ハルカは勇者ロトの子孫として当然のことをしたと思っていた。しかし、それを果たすのはロトの子孫でも安易なことではないと言うことだった。
(だからと言って、僕は負けない。先に進む。この世界の為にも、そして、愛するローラ姫の為にも)
王の間に謁見した時、ラルス16世の反応は予想通りの喜びようだった。
「おお、ローラ!無事であったか!本当に良かった!勇者ハルカよ、心の底からお礼を言うぞ!ああ、今日ほど嬉しいことは無い…」
涙を流して喜んでいた。
「もう、お父様ったら」
ローラ姫は優しく微笑む。
「国王は本当に嬉しいんですね。宴の準備でもいたしましょうか」
「ああ、頼む」
その後、ラダトーム城では宴が行われた。
「いつもならもっと豪華なんだが、節約でね」
とメイドが話していた。確かに宝石などの飾りは少ないが、ステンドグラスの飾り物や、倉庫に眠っていた銀色の飾り用の食器など、工夫して美しく飾られていた。
そして、場所はローラ姫の寝室。ハルカは入室を許された。
それは今までのハルカなら考えられなかったことだった。内装はハルカが想像してたのよりは少し違っていた。
もう少し豪華だと思っていたが、案外シンプルなのだ。美しい装飾のついた化粧台やクローゼット、タンスや、天蓋つきのベッド、シャンデリアはあった。しかし、あまりごちゃごちゃしてはいなかった。飾りといえば、王妃を模った人形とラピスラズリのゴブレットだけであった。これはローラ姫の希望でデザインされた部屋だととあるメイドは言う。
ローラ姫は別のドレスに着替えていた。水色の美しいドレス。首飾りも青い宝石になっている。
「ローラ姫、いつも可愛いですが、今は一段と美しいですよ」
「ハルカ様、嬉しゅうございます……(ぽっ)。ハルカ様も特別な衣裳でもあればよろしかったのに…」
ハルカはいつもの格好ではあるが、戦士団の仲間達に、鎧と体を少し拭いてもらい、綺麗にしてもらった。
「僕は良いんです。この格好で。まだやるべきことはたくさん残ってますから」
「そうでしたね。ハルカ様はロトの子孫の勇者様。いつか竜王を倒さなければなりませんものね……不安だわ。いえ、信用していないわけではないの
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