Chapter-3 第12話
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Dragon Quest 1 ハルカ・クロニクル
Chapter-3
ローラ姫
第12話
二人は顔を赤らめたまま、マイラの街を抜け、外に出た。
この時間帯はまだ涼しい時間帯だ。
心地よい風がハルカとローラ姫の体にあたる。
昨晩、二人は「好き」と告白し、お互いの気持ちが実り、恋人の関係になった。
そして同じベッドで幸せな一時を過ごしたのだ。
しかし、一つの不安がよぎる。
それは、ハルカとローラ姫の身分の違いだ。
勇者ロトの子孫ということで特別扱いはされているものの、本当はラダトーム戦士団の1人に過ぎないハルカ。アレフガルド王国のラダトーム王女という身分の高い位置にいるローラ。
「ローラ姫、僕は思ってしまったのです。自分が異国の王子だったら、て」
「身分、ですね」
「はい。貴女の父上は僕達を許しくれそうに感じないんです」
もちろん、国王、ラルス16世のことである。
「確かにあり得そうで、怖いですわ……。お父様は、私に異国の王子のお見合いの肖像画を持ち込んできました。確かに、お父様は私をどこかの王子と結婚させたがっていました。しかし、私は首を縦に振りませんでした。ときめかなかったのです。いままで、ハルカ様以外の男性に恋心を抱いたことは無かったのですから。……ハルカ様!」
ローラ姫はハルカを思いっきり抱きしめた。
「ローラ姫……。僕は……僕は、負けません。決めました。貴女の父上がどれだけ僕達を反対しようと、僕は貴女を愛し続けます!そして、竜王を倒したら……いえ、その話は何時か話します」
「ハルカ様……私も、ハルカ様を愛し続けたいですわ!」
ハルカとローラ姫はきつく抱きしめあった。そして少しした後、お姫様抱っこで歩き始めた。
(僕は両立してみせる。竜王軍壊滅とローラ姫を愛し続けること……どちらも僕にとって大事なことだから!!)
二人は歩きとハルカの未完成ルーラを利用した浮遊術を使い、数日かけて城下町へついた。
泊まる時は、安全そうな大木の側や、以前にも行った、老人1人だけがいる滅ぼされた村に寄った。眠る時はハルカがローラ姫を抱いたままだ。守るようにして。
「大丈夫でした?ローラ姫」
「ええ。ハルカ様のおかげで全く苦になりませんでしたわ」
「それは良かった」
ローラ姫の笑顔にハルカも笑顔になる。この笑顔を守る為にも、竜王軍は滅ぼさなければならない、そう思った。
街に入ると、ハルカ達の様子を見て歓声を上げた。喜びの完成である。
ローラ姫が生きていた喜びを叫んだ。ローラ姫を救出したハルカを称えた。
「さあさあ、早く国王の下へ!」
「格好いいよ!」
大通りは大騒ぎとなった。ハルカとローラ姫が通るのを人々は嬉々として見守ったり歓声を上げたりする。
その中にはハルカに好意を寄せていた少女、マーラ(第2話
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