最終話
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本拠地周辺 森の中
「遅いわね……」
「そうですね……」
基地が爆発を始めた後、革命軍は撤退を開始。囮として戦っていた幽々子達も撤退を開始した。
少し離れた場所で待機していると、捕虜を連れた悠斗達が現れた。捕虜がいることも含め、大半の人達は俊司達の合流を待たずに移動を開始していた。
そんな中、幽々子と文は俊司達の合流を今か今かと待ち続けていた。
「突然の爆発も気になるわね……何もなければいいのだけど……」
「あれからかなり時間がたってますしね。それに、紫さんや妖夢さんも無事かどうか……」
「紫はともかく……妖夢がねぇ……」
そう言って二人は溜息をもらしていた。
「あら、ここにいたのね」
「!!」
そうこうしていると、茂みから二人の女性が姿を現した。
「紫! と……妖夢?」
現れたのは紫と妖夢だった。だが、紫の表情は決して安心したようなものではなく、妖夢はなにかあったのか、人形のようにぐったりとしていた。それに、ある人物も見当たらない。
一瞬だが、幽々子の背中を悪寒が走って行った。
「無事だったんですね……俊司さんは?」
「……」
「……紫さん?」
文も何かを悟ったのか、一気に表情を凍らせていった。
「……死んだわ」
「っ!?」
「死んだ……俊司さんが……?」
紫は何も言わずにコクリとうなずく。なんとも言えない感覚が、二人を襲っていった。
「どういうこと……紫」
「私達が最上階に行った時、残っていたのは革命軍の男だけだったわ。おそらく……俊司君の復讐相手のね」
「つまり……そいつに俊司さんが……」
「……相討ちだったらしいわ」
「そんな……」
「ちがいますよ」
落胆する二人をしり目に、妖夢がいきなり口を開いた。
「俊司さんは生きてますよ」
「妖夢何言って……」
「生きてますよ……きっとどこかで……生きてるんですよ」
「……」
まるで現実逃避をするようにしゃべり続ける妖夢。彼女の眼には、すでに光という光が消え去っていた。
そんな妖夢に、幽々子は何も言うことなく近寄った。
「妖夢……」
「……なんですか幽々子様?」
「……」
幽々子は何も言うことなく妖夢を引き寄せると、そのままやさしく抱きしめた。
「……幽々子様?」
「……今はゆっくり休みなさい妖夢。大切な人の死は……つらいのはあたりまえだから」
「ですから俊司さんは」
「現実を見なさい妖夢!!」
「!!」
また現実逃避をしようとする妖夢を、幽々子はその一言で引き
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