最終話
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つりこんできていた。鞄のチャックは開いており、中からは一枚の手紙が見えていた。
その瞬間、妖夢はある言葉を思い出していた。
『じゃあ、ちょっと不謹慎な話をするけど……もし俺が死んだら、俺の部屋にある鞄の中から手紙を取って見てほしいんだ』
「!!」
妖夢は刀をその場に落とすと、すぐさま鞄から手紙を取り出す。
宛名には妖夢の名前が、後ろを見ると俊司の名前が記されていた。
「……」
何も言うことなく、一心不乱に手紙を開ける妖夢。
中にはこう書かれていた。
『妖夢へ
この手紙は、俺が死んだ時……妖夢に見てもらうための手紙です。見てるってことは……俺は死んじゃったんだな……ごめん。
なんて謝ったらいいかわかんないな……ほんとひどいことをしてるって思うし。
じゃあ、長くならないうちに本題に入るな。
俺はたぶん、妖夢に俺のことが好きかどうか聞いてると思う。妖夢はその場で答えてくれたはずだけど、俺はその場では答えなかったよな。
最低なことをしたなって思う。ほんとごめん。
きちんと伝えておくべきだったな。でも、もしきちんと伝えておいて俺が死んだら……妖夢が今以上に落ち込んでしまうんじゃないかって……思ったんだ。だから、あんな質問をしたんだ。
もちろん、今もひどく落ち込んでると思う。妖夢だけじゃなくてみんなも……。
話を戻すよ。前に言ったと思うんだけど、妖夢は由莉香にどことなく似てるって思うんだ。だから……由莉香の面影を載せてしまう自分もいた。それが許せなくって……本当の答えを出しずらかった。
自分が本当はどう思ってるかなんて、少し前には気づいてた。でも、妖夢に伝えるのが怖かった。本当に心の底からそう思えるのか不安だったから……。
でも、あの特訓の時……復讐ってどう思うかって聞いた時、最初自分の意見を押し殺してでも俺を後押ししてくれようとしてくれた。すごくうれしかったよ。それに……妖夢が俺のことをすごく思っててくれたことも知れて……。
だから、俺もそれに答えたかった。それに、ホントの気持ちにも気付く事が出来たし……。ほんと手遅れになってしまったけど、ちゃんと伝えたいと思う。
俺は……妖夢のことが好きです
って、まあ死んでからじゃあ遅いよな……ごめんな。ほんと何回謝ってんだか……
ここからは俺からのお願いだ。守ってもいいし、守らなくてもいい。
まあべただけど……俺の分も生きてほしい。妖夢は半人半霊だから寿命は長いし……俺が過ごすはずだった時間も過ごせると思うから……。
あと、この戦いをきちんと終わらせてほしい。
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