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SAO――とある奇術師は閉ざされた世界にて――
一章 一話 とある殺人鬼たちの集い
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ターセプトすることでプレイヤーは仮想世界でキャラクターという借り物の体を自在に操ることができるのだ。
今はその機能が災いして、現実の俺達は指一本動かせず横たわるしかない訳だ。よって、ナーヴギアは自分の手では外すことができず、死と隣合わせの生活を余儀なくされているのだ。

では、現実で誰かがナーヴギアをひっぺがせばいいのでは――?

そんな期待もできない。
何故なら、その場合もうざったい大容量バッテリーがご活躍なさられるから。
そいつは、ゲームオーバーおよび、外部の人間が無理にナーヴギアを外そうとしたとき、脳に高電圧の電流を流し、焼ききってしまうのだ。

もちろん、そんな情報が全て嘘という可能性もある。
とはいえ、さすがに無害なゲームから出られないのに、一年も放置というのもあり得ないだろう。
そんな感じで今はSAO内部でも、ゲームオーバーイコール死、というのが通説となっている。





そんななかでも、いや、そんななかだからこそ、レッドプレイヤー達は殺人を続けた。
目の前の奴は死ぬ前の恐怖に染まったあの顔がいい、などと抜かしやがったが、自分の顔が恐怖に染まってりゃ世話ねえ。
まあ、人が死ぬのは好きでも、自分の死ぬのは嫌って、身勝手な考えなのだろう。

「ヒ、ヒィィ」
先ほどまでとはうってかわった、威勢の欠片もない声をあげながら、奴は俺の足下でしばらく体を慌てふためかせていたが??????

その動きが止まって?????彼はポリゴン塊となり、もうすっかり聞きなれた爆砕音を残して四散した。
奴は今、現実世界からも同時にゲームオーバーした訳だ。

それを無感動に見送り、部屋の中央に向き直る。

目に写るのは、赤く染まった三つのプレイヤーカーソル。残った三人のレッド達。

普通に考えてかなりマズイ状況だが、俺はあえて笑みを浮かべる。


「本当に・・・・・・ついてるよなぁ」




社会のゴミをまとめて四つも掃除できるなんて、本当についてる。
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