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SAO――とある奇術師は閉ざされた世界にて――
一章 一話 とある殺人鬼たちの集い
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表すSAOにおいて、殺人快楽者―レッドプレイヤーに出会うのは・・・


「ゲヒャヒャヒャ!」
最早人間を捨てたとしか思えない笑い声をあげて、長身のプレイヤーがクローを突きだしてくる。
胸部を正確に狙ったその一撃を、俺は右手に握る片手剣で切り払う。

「うおっ」
思ったよりも重い。俺の剣が押し返され、その余波でHPが軽く削れる。

敵の連撃が続く。左右の手に装備された爪が俺に殺到する。
クロー使いには珍しく筋力重視のビルドらしい。敏捷極振りの俺の筋力値では防ぎきれない。
防戦一方の俺は、だんだん戦いの舞台である迷宮区の小部屋のその端に追い詰められていく。

受けきれなかった分のダメージで、ジリジリとHPが減っていく。

「ゲヒャヒャヒャ!」
狂った様に叫ぶレッドプレイヤーが更に攻撃の手を強める。

ついに俺のHPバーが50%――イエローに入る。
命が後半分しかない。その事が明確に感じられる。

「ゲヒャヒャヒャ!どうしたァ!反撃してみろよォ」
いうないなや、奴は右の手を大きく後ろに回す。

デカイのがくる!

多分、こいつの本気の一撃は、俺の筋力値では防げない。敏捷型の例にもれず、装甲も紙並みだ。

だがーーー

「敏捷型の底力、なめんじゃねぇ!」

奴の体を支点に半時計回りにスピン。後ろに回り込む。
目標を失ったクローが大きく空を切る。

その大きすぎる隙を――突く!

右手の剣を腰の位置に持ってくる。
システムがそのモーションを感知したのが分かる。

刹那

「はあああっ!」
俺の渾身の連撃がはじまる。
青く染まった剣線が、高速で打ち出される。

片手剣六連撃”バーチカルタクティカル”――システムによるアシストで、通常の数倍の威力、速度の斬撃をはなつ、"ソードスキル"と呼ばれるそれが、レッドプレイヤーの背中に六芒星の傷痕を残し、そのHPバーを
――削りきった。

男が、恐怖によるものか、目を大きく見開く。



この人類初のフルダイブVRMMORPG"ソードアート?オンライン"は、さすがは仮想世界の実現を唄うだけあって、律儀に現実の世界を再現している。
さすがにプレイヤーの浮き出る血管や、細かい毛の一本一本を再現するには至っていないが、食料アイテムを放置していると腐るし、攻撃を受ける瞬間に後ろに跳べばダメージを減らせる。しかもデスゲームが始まってからはプレイヤーは皆現実での姿に強制変更させられているという徹底ぶりだ。

まあ、結局はその流れで着けちゃったのだろう。ゲームオーバーと同時にプレイヤーの脳を焼ききるための大容量バッテリーを。

ソードアート?オンラインは"ナーヴギア"というハードでプレイされる。
頭に被り、脳から体への信号をイン
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