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少年は魔人になるようです
第29話 魔人はフラグを立てるだけのようです
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えてくれれば、その強さが分かるかも知れない。


「アスナちゃん行くよ!ここに居ても邪魔になる!!」

「ダメ……イヤ!ガトーさん!!」

「嬢ちゃん……。涙見たのは…初めてだな!!」


幼女趣味は無いが・・・ナギが残して行った子だ。

俄然、守りたくなるじゃないか!


俺は、悪魔に対しての攻撃をより激しくする――と、


「し、師匠ぉぉ!!」


タカミチの声で後ろの悪魔に気付くが、一人相手で精一杯。

悪魔が奇妙な鎌を振り被り―――


ドズッ


鈍い音が、俺の後ろでする。俺を庇った、そいつは――


「あ゛ー…、痛ぇ…。」


口と胸から血を拭き出している、愁磨だった。


Side out




Side 愁磨


ガトウの死亡イベントが、今日だったとは、な・・・。

≪Alucard≫形態しか装填して無かったから、庇うしかなかった。とりあえず――


「『形態変化:モード≪崇神魔縁(スガミマエン)≫』ゴプッ!…っち!『祓え』!

ガトウ、しゃがめ。『罅ぜよ』!」


俺を刺しやがった悪魔を祓い、ガトウと戦っていた悪魔を破裂させる。


「しくじった…ガフッ!?っと、刺さりっぱなしだと痛ってえな・・・。」

「愁磨さん!!?そ、そんな…!」


鎌を抜くと血が吹き出て、倒れこんでしまい、それを見たタカミチが叫ぶ。

まさか、ガトウの役割を俺がする事になるとは・・・。


「…タカミチ、姫ちゃんの記憶の……お前以外の、記憶を消しておけ。

ああ、あと…俺んトコは念入りに消しとけよ。その子が幸せになるにゃ、いらねえ記憶だ。」

「そ、そんな……!貴方なら、その程度の傷……!!」

「この鎌な……、『魂喰らい(ソウルイーター)』つって、悪魔は結構使ってるもんなんだ。

名の通り、魂を持って行くから……。言っただろ…?俺、魂は創れねえんだよ。」


言っている傍から、後ろからワラワラ悪魔が湧いて来ていて、

ガトウは既に戦闘状態に入っている。


「ここは俺達に任せて、姫ちゃん連れてさっさと逃げろ。

……俺に出来ない事を、お前に任せる。いいな?」

「ッッッ!!アスナちゃん、行くよ!」


タカミチは、先程の渋り様が無かったかの様に姫ちゃんを抱えて走り出す。


「や、ヤダ!シューマさんと、ガトーさんが!!」

「僕達が居たら足手まといにしかならないんだ!!」


ああ、役に入り込み過ぎて忘れてた。一応言っとかないとな。


「タカミチ、またな。」


俺の言葉に一気に涙を浮かべた様だったが、それを振り払い、ナギの様な顔をして叫ぶ。

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