第四十九話 決戦(その八)
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にとっても一番安全なのです、そうでしょう?」
なるほど、地球教、いやそれだけでは無いな、自由惑星同盟の復活を望むものか……。頭領が足を止め振り向いた。俺も足を止めた。頭領が俺をじっと見ている。
「降伏などさせず戦場で殺してしまった方が良かったかもしれない。ビッテンフェルト提督に彼の後背を撃たせる。その方が後々悩む必要がなかった。このままでいくとヤン・ウェンリーは不安定要因になりかねない」
「それは……」
俺が絶句すると頭領は苦笑を浮かべた。
「困った事に私は彼が嫌いじゃないんです。出来れば殺したくないと思った、だから降伏を勧告した……。でも好き嫌いで見過ごす事が出来る問題でもない、厄介な人ですよ」
改めて思った、頭領にとって戦いはまだ終わっていない。ヤン・ウェンリーにとっても同様だろう。暗闘、そう思った。
頭領が身を翻して歩き始めた。足が動かなかった、黙って立ち去る姿を見ている事しか俺には出来なかった……。
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