第四十九話 決戦(その八)
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。ローエングラム公は今何処に……、私ならローエングラム公をあそこに送る……。黒姫の頭領は如何した……。
『……ローエングラム公はハイネセンに向かっています、同盟政府を降伏させるために……』
彼方此方で呻き声が起きた。やはりそうか、我々を誘き寄せる一方でローエングラム公をハイネセンに送った……。負けた、全てにおいて負けた……。私の立てた作戦は無意味に人を死なせるだけに終わった……。
『なるほど……。ではこれは本当だと言う訳か……』
呟く様な声だ、皆が司令長官に視線を向けた。
『降伏する。たった今、同盟政府から降伏せよとの命令が届いた』
『司令長官!』
『政府からの命令だ、それにこれ以上の戦闘は意味が無い……』
彼方此方から啜り泣く声が聞こえた……。
帝国暦 490年 5月 9日 ガンダルヴァ星系 ウルヴァシー コンラート・フォン・モーデル
戦闘は終結した。帝国軍はウルヴァシーの基地に戻ってきた。ローエングラム公の艦隊とキルヒアイス提督の艦隊、ルッツ、ワーレン提督、それからシュタインメッツ、ビッテンフェルト、ファーレンハイト提督の艦隊。他の艦隊はまだ戻ってきていないけど戦闘が終結したことは報せたからもう直ぐウルヴァシーの基地に戻って来るはずだ。
降伏した反乱軍の艦隊は推進剤やミサイル等を全部廃棄させられた。その上で帝国軍の艦艇に曳航されてここまで来た。将兵は皆地上基地に収容されている。戦闘で疲れているから一旦休息を入れてから輸送船でハイネセンに行く事になっている。当然だけど帝国軍の艦隊が護衛兼監視で付いて行く。
戦争は終わったけど結構忙しい。補給はしなくちゃいけないし損傷した艦の修理の手配、負傷者の手当て等後始末が大変だ。それと戦死者の確認、反乱軍の捕虜の確認、戦闘の報告書も書かなければならない。皆手分けして作業をしている。
ウルヴァシーの戦いで反乱軍を降伏させたのはローエングラム公っていう事になった。うーん、頭領も降伏勧告してたしシュタインメッツ提督、ビッテンフェルト提督、ファーレンハイト提督も戦場に居たんだけど反乱軍は政府からの命令で降伏したって事になったみたいだ。
戦闘が終了した後、頭領はローエングラム公に通信を入れて反乱軍が降伏した事を報告した。ローエングラム公は上機嫌だったけどブリュンヒルトが撃沈したと聞いた時には顔が引き攣ってた。
“最後の戦い、ブリュンヒルトは総旗艦に相応しい武勲を挙げたと思います。あの艦が撃破された事で同盟軍は攻撃目標を失いました。あれで同盟軍の士気は目に見えて落ちました”
ローエングラム公は頭領の報告に“そうか”って言ってたけど声が震えてた。よっぽどショックだったんだ。もっとも頭領は全然気にしていなかった。“大丈夫ですか”って
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