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【新約】魔導循環〜Magical circulation〜
Tercera historia/ Diablo citaci?n
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得意とするクロキに実に相性がいい。
伝承によれば多少の狂気は我慢ができれば、従順かつ強力なディアブロであるとのことだった。
これほどクロキ好みで、相性の良い悪魔も早々はいないだろう。
よって、クロキはこの《エリゴール》なるディアブロを召喚することに決めたのだ。
「アザレア卿、準備は完了か」
声のした方向へ振り向くと、黒い仮面をつけて、漆黒の羽の天使……堕天使を従えた騎士のような男が姿を現した。
「ベリエル卿か。まぁ、上々と言えよう。生贄の準備も簡単にできた。我が容姿も捨てたものではないな」
《エリゴール》に限った話ではないが、《黒魔術》……特に召喚術系統の儀式魔法……には生贄が必要なことがある。
《エリゴール》は自らの刃を鮮血に染めることを至高とする。それも《純潔な少女》であればなおよい。
クロキは自身の容姿に引き寄せられてきた一人の処女をこの儀式の生贄とすることにしていた。
「ふむ。では、卿の儀式が成功することを祈っているよ」
「私からも、貴君の成功を祈るよ」
「ははは、なぁに、次の遠征には卿のディアブロがつくのだ。成功は当然のことであろう」
ベリエルともう二言三言交わしたのち、クロキは自室のドアを開いた。
レギオンの上位魔術師に与えられる、儀式上も兼ねるそこには、複雑な形の魔法陣が五つ作られて、その中心にはベッドに縛り付けられた長髪の少女がいた。
少女はクロキが入ってくると、怯えた目をクロキに向けて言った。
「く、黒輝君……これは、どういうことなの?わ、私……」
クロキは打って変わってにっこりと笑みを浮かべて、優しく少女に語りかけた。
「安心して、君が純潔を失うだけだから」
すると少女は、ぱぁぁっ、とでも形容できそうな笑顔を見せて、
「じゃぁ、遂に私を恋人って認めてくれるのね!」
歓喜に彩られた声で叫んだ。
「ああ……そうだよ。でも、まず準備をしなくちゃ。こんな殺風景な部屋じゃぁなんだかいやだろう?今からもっといい舞台を整えてあげるから、僕が『良いよ』って言うまで目を閉じているんだよ」
「うん!」
少女は顔を天井に向けると、目をつむった。
途端に、クロキの表情が変わる。
今までの好青年然とした顔から、狡猾な魔術師の顔に。
彼は舞台を整えるための術式を組み始めた。
「……
Veggen til den f?rste bandt onde
(
第一の壁は邪悪を縛り
)
,
veggene i den andre binder opp m?rket
(
第二の壁は闇を縛る
)
.
|Veggen av det tredje forseglet vilje《
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