第14話 仲良くケンカしなって言うけど……じゃぁ具体的にどうやってケンカすりゃ良いんだよボケがぁ!
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そ、お前を倒す! 坂田銀時ぃぃぃぃぃ!」
再び空中に舞い上がり高速で銀時に切り掛かった。空中からの高速戦法だ。
「馬鹿の一つ覚えかよ! そんな戦法、もう俺には通用しねぇんだよぉ!」
怒号を張り上げて、タイミングを計り、突っ込んできたと同時に身を翻し、フェイトの首筋と思われる場所と渾身の力で掴み取る。
だが、その銀時が掴んでいたのはフェイトの体ではなく、フェイトが纏っていた漆黒のマントであった。
ハッとなって自分が掴んでいた物を見る。しまった。敵もまた学習したのだ。
そう悟った時、背中に痛みが走った。鋭い刃で切られた感触だった。
「がっ!」
「同じ戦法が通用しないのは貴方だけじゃないよ!」
見れば、其処には閃光の刃を血で汚したバルディッシュを手に持つフェイトが居た。背中の傷に触れてみた。かなり深い。恐らく機敏には動けそうにない傷だ。
背中から切られた箇所から血が流れ出ていく。足に力が入らず、その場で膝を落としてしまった。
そんな銀時の前にフェイトが立ち、閃光の刃を突きつけて来た。
「今度は私が言う番だね。形勢逆転……って!」
「クソッ」
銀時は必死に立ち上がろうとした。だが、思いの他切り口が大きかったのか、体に力が入らない。
まして、今から立ち上がろうとした所で、その前にフェイトの刃が銀時の首を刈り取るだろう。万事休すであった。
そんな銀時にトドメを刺す為にと、血で汚れた閃光の刃を振り上げる。
「さようなら……坂田銀時」
最後にそう呟き、迷う事なく刃を振り下ろした。銀時はふと、目蓋が重くなるのを感じた。とてつもない睡魔が襲ってきたのだ。なってない。全くなってない。
此処まで来て、折角此処まで来たと言うのに、此処で倒れると言うのか。それが自分自身の運命だったと言うのだろうか?
認めたくはなかった。だが、認めねばならない。そう悟った時、不思議と眠くなったのだ。
恐らく、深い眠りについた時、一瞬激しい痛みが来るだろう。だが、その痛みも既に慣れた事だ。大して怖い訳ではない。と言えば嘘になるだろう。
本当はどうなのか? それは、銀時自身も分からなかった。
……一向に痛みが来ない。おかしい。普通だったらとっくに痛みと共に死が訪れる筈だと言うのに、それが全く来ないのだ。
不審に思い、銀時は残る力を全て目蓋に費やし目を開いた。其処には自分に向かい背を向ける小さな体があった。
その体は自分に背を向け、小さな両手を大きく広げて必死に自分を守るように立っていた。
そして、そんな存在の側で、閃光の刃は動きを止めていたのだ。
「なのは……なんで?」
「もう止めてよ……これ以上、皆が闘うのを見たくないよ! だから、もう止めようよ! 皆で傷つけあうのは」
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