第14話 仲良くケンカしなって言うけど……じゃぁ具体的にどうやってケンカすりゃ良いんだよボケがぁ!
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なのはは体を張って止めたのだ。彼女にとっては、銀時達も、フェイト達も大事な存在だ。だからこそ、互いに争って欲しくない。もう止めて欲しい。そう思いこうして止めに入ったのだ。
そんななのはを、フェイトは切れなかった。切れる筈がなかった。だが、切らねばならない。坂田銀時にトドメを刺す為には、此処で彼女を切り伏せなければならない。
「お願いなのは、其処を退いて!」
「退かない! フェイトちゃんがそれを降ろすまで、私は此処を動かない!」
「退かないなら、私は君を切るしかない……それでも良いの?」
「私は信じてるよ。フェイトちゃんはそんな事をする子じゃないって事を」
「なのは……」
出来なかった。例え銀時を倒す為と言っても、なのはを切る事など出来なかった。フェイトの手が震える。それに呼応し、刃もまた震えていた。まるで、フェイトの感情や、悲しみを表現しているかの様に。
「……」
フェイトは、そっと刃を下ろした。どうやら分かってくれたのか。安堵するなのは。
その刹那、フェイトの姿が霧の如く消えた。驚愕したなのは。そして、フェイトの姿は、銀時の真後ろに現れた。
なのはを切らず、銀時を切る方法は、これしかなかった。たとえ、それがなのはを裏切る行為となったとしても、フェイトは構わなかった。
この男を倒す事、そうすれば全てが片付く。
「はああぁぁぁぁ!」
「ちぃっ!」
「駄目ぇぇぇぇ!」
動けない銀時を、なのはが渾身の力で突き飛ばした。横に向かい倒れこむ銀時の目の前で、振り下ろしたフェイトの刃が、なのはの胸に深く突き刺さった。
「そ、そんな……」
「な、なのはああああああああああああああああ!」
フェイトは青ざめ、銀時は叫んだ。その叫びは、漆黒の町に空しく響くだけなのであった。そして、その悲しくも空しい現実を、月は只、黙って見下ろすだけであった。
つづく
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