準備
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付かれないように、それでいてしっかりと意思を乗せた返事を返し、再びアオアシラへと視線を向ける。 どうやら話している間に食事は終わったらしく、のっしのっしと歩いて森の中へ向かおうとしていた。 そうはさせないと走りだし、隙だらけな背中に肉薄していく。 仕掛けるのは早い方が良い。 一人でやれという提案に、勢いで返事をしてしまった。 その勢いが収まらない内に、むしろ更に加速させる為に、一気に切りこんで行く。
「ッハァ!!」
ユクモノ太刀を背から抜き放ち、大上段から振り下ろす。 続けて突き、斬り上げと繋げてバックステップで退避。 鼻の先をアオアシラの振り向くと同時に放った剛腕が走りぬけて行く。
「グオオオォォォォォォン!!」
両前足を高く上げ、青熊獣アオアシラが吠える。 食後のゆったりとした安寧を邪魔され、更に二度三度と甲殻の生え揃った強靭な前足を怒りに任せて振りまわしてくる。 人を大きく超える体重を日夜支えている前足である。 元々の筋力だけでもかなりのものであり、更には防御力と殺傷力を大きく上げている甲殻まで付いた剛腕の一撃。 直撃どころか掠るだけでも危険な攻撃を見切り、回避し、前足がまた地に着いた時今度はこちらの番だとばかりに攻撃を加えていく。
斬撃がアオアシラの青い毛皮を紅く濡らして行く。 もちろんただやられる訳も無く、一拍置いたらまた剛腕の連撃が彼女を襲う。
相手の攻撃を見切って回避し、僅かな隙をついて地道に攻撃を仕掛ける。 モンスターと戦う上での基本中の基本。
「とは言っても、地道にやるだけじゃラチが明かないからね! っと」
剛腕の連撃を回避し、太刀を大きく振って牽制しながら距離を取る。 そのまま太刀を大きく構え、呼吸を整え、意識を集中し、太刀の刃に気を張り纏わせる。
「グルオオォォォォ!!」
己を鼓舞するように吠えながら彼女を押しつぶさんと大きく飛び込んでくるアオアシラ。 それに対して、彼女は今までとは打って変わって緩やかな動作で左へ移動する。 飛び込んだアオアシラは空中で身体を制御する術は当然のごとく持ち得てなく、彼女のすぐ隣へと着地する。 隣には太刀を上に大きく構え、右上から左下へ、アオアシラの脚を袈裟に斬りつける。
「グオォ!?」
今まで以上に深く斬り付けられ、くぐもった悲鳴がアオアシラの口から洩れる。 そして彼女はこの程度の攻撃で手は休めない。
左下に降り切った太刀を持ち上げ、今度は左上から右下へ、逆袈裟に降り降ろす。 狙いは変わらず脚。 一度斬りつけた箇所を交差するように斬りつけた傷から、更に激痛と出血を促していく。
連撃は止まらない。 振り下ろした太刀で切り上げ、更に相手を交差して行くように振り上げ、更に斬り付けていく。 更に大上段から垂直に振り下ろす。
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