第4話
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Side 渚
朱乃先輩のお言葉に甘えて膝枕をしてもらい、そのまま寝てたら5限目をサボってしまった。部室にはいつ来たのか知らないけど、リアス先輩も来ていたのでなぜ起こしてくれなかったのか謎だ。
そして、授業と部活を終えて帰路についている。リアス先輩は用事があるらしいので、三人での帰宅だ。
兄さん、アーシアさんとたわいない話をしながら歩いていき、そして家の前まで着いた。そこから、兄さんとアーシアさんの様子がおかしくなった。
兄さんは急いで、ドアを開けて家の中に飛び込んでいく。何事かと思って追いかけていくと、そこには見慣れない女の子二人と談笑している母さんがいるだけ。何を焦っていたのだろう?
「でね、これがイッセーとナギの小学生時代の写真なの」
「か、母さん?」
「あら、みんなお帰りなさい。どうしたの? 血相変えて」
「はぅぅぅぅ。よかったですぅ」
アーシアさんがその場でぺたんと座り込んでしまった。この二人は危険人物なのか?
そう思って、二人の女性を見ると胸元に十字架が輝いていた。キリスト教の関係者だろう。二人が心配していたのはこれのせいらしい。しかも、そのうちの一人にはどこかで会ったな気がした。
「こんにちは、一誠くんに渚くん」
兄さんは緑色のメッシュが入った女の子の傍の、布に巻かれた物が気になるらしい。悪魔じゃない僕にも、あれは聖なるものだとわかる一品だ。
そして、僕と兄さんに微笑んでいる栗毛の女の子。やはりどこかで会ったような気が―――っと、そうだ。あの子か。
「久しぶ「はじめまして」
僕がしゃべろうとしたら、兄さんがかぶってきた。そして、兄さんは彼女のことを思い出せないらしい。
「兄さん? 覚えてないの?」
「なにを?」
無理やり感を感じる笑顔で兄さんはこちらを向いた。
「渚くんの言うとおりだよ。覚えてないの?」
「だから、なにを?」
再度、兄さんは僕らに訊いてきた。
「兄さん、彼女はあの写真の子だよ。紫藤イリナちゃん。よく遊んだだろ?」
「ナギ言う通りよ。紫藤イリナちゃん。この時は男の子っぽかったけど、今じゃ立派な女の子になって、お母さんもびっくりしたのよ」
母さんが写真を出して、イリナを指しながら言った。兄さんは何度も写真と見比べている。確かに、だいぶ変わったのでわかりにくいだろう。
「久しぶりだね、イッセーくんに渚くん。もしかして、私のこと男の子だと思った? まあ、確かに女の子っぽくなかったし、私より渚くんの方が女の子ぽかったからしょうがないか・・・・・・。でも、お互い、しばらく会わないうちにいろいろあったみたいだね。ほんとう、再開って何があるかわからないね」
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