第3話
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Side 渚
「聖剣計画?」
聞き覚えのない単語に僕は聞きかえした。
「ええ、祐斗はその生き残りなのよ」
一通りの活動を終えた僕たちは家に戻ってきていた。
「数年前で、教会内で聖剣エクスカリバーを扱える者を育てる計画があったの」
「・・・・・・・初めて知りました」
アーシアさんはこの計画のことを知らなかったようだ。極秘の計画だったのかもしれないので、耳に入らなかったかもしれないが。
話を聞いていくと、祐斗はその計画の実験体の一人だったらしい。聖剣は悪魔に対して究極ともいえる武器だ。それ故に教会は、なんとか聖剣の使い手を増やそうとその計画を行ったらしい。
「じゃあ、木場は聖剣を使えるんですか?」
兄さんがもっともな質問をする。
「祐斗は聖剣に適応できなかった。それどころか、祐斗と同期の者の中には一人も適合できなかったようよ」
リアス先輩は首を横に振りながら言った。
「そして、適応できなかった祐斗たちを教会は処分した」
処分。おそらくは殺したということだろう。アーシアさんは愕然としている。
「そんな・・・・・主に仕える者がそのような事をしていいはずが」
アーシアさんは目を潤ませながら言った。よほど信じたくない情報だろう。
「祐斗を悪魔に転生させたとき、あの子は瀕死の中で強烈な復讐を誓っていたわ」
リアス先輩は、そんな祐斗に聖剣に縛られずに、悪魔としての生を謳歌してほしかったんだろう。
「でも、祐斗は忘れられなかったんですね。聖剣のことを、計画に関わった者を」
リアス先輩は黙ってうなずいた。幼少の頃からの恨みとなると、相当なものだろう。かなり憎んでいると見ていいはずだ。
「とにかく、しばらく見守るわ。ぶり返した聖剣への想いで頭がいっぱいでしょうからね」
「あ、そう言えば、この写真が原因だと思うんですけど」
兄さんがリアス先輩にあの時の写真を見せた。リアス先輩は写真を見るなり、眉をひそめた。
「二人とも、知り合いに教会に関わりがある人がいるの?」
「身内にはいないよな、渚」
「うん、いないよ。その写真は子供の頃に近所に住んでいた子で、今は引っ越したんでわかりませんが、その子はクリスチャンだったみたいです」
「そう・・・・・・。この写真に写っているのは間違いなく聖剣ね。なるほど、これで私の前任の悪魔が・・・・・・・」
最後の方から何やらぶつぶつとつぶやき始めるリアス先輩。なにやら思うところがあるようだ。
「もう寝ましょうか。あれこれ考えても祐斗の悩みが解決するわけではないわ」
しばらく考え込んだリアス先輩が、みんなに寝るように促した。それに従ってみんなが自
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