第百二十九話 一月その十
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「何なく陥とせるでしょう」
「そして金ヶ崎を陥とせばですな」
「一乗谷まで一直線です」
そのまま行けるというのだ。
「あの城を囲み降伏を促せばよいかと」
「ですな。その頃には浅井殿が仲介に入って下さいますし」
このことはもう折込済みだった、長政に花を持たせるつもりなのだ。
「越前も織田家のものになりますな」
「越前は八十万石です」
大きな国だ、朝倉家はその国の守護代なのだ。
「治めがいがあるかと」
「ですな」
「越前を手にいればまた天下に近付きます」
「ではそろそろですな」
ここで羽柴は言う。
「武田家や上杉家とも」
「おそらく争うことは近いかと」
明智もそう見ていた、この辺りの読みは流石だ。
「朝倉家との戦の後で暫くしたら」
「そうなりますな」
「武田、上杉、北条、毛利」
具体的な家の名fが挙げられていく。
「そして東北の伊達に九州の島津も」
「伊達に島津もですか」
「はい」
「確かに、両家はそれぞれかなり力を伸ばしていますな」
「特に伊達家です」
この家について特に言うのだ。
「伊達政宗殿もまた天下を目指しておられます」
「ううむ、傑物とは聞いていますが」
「今や東北を席巻せんとしています」
どの様にしてそれをしているかというと。
「鉄砲騎馬隊を使いまして」
「鉄砲騎馬隊というとあの」
「はい、騎馬隊でありながら鉄砲も使います」
そうした兵種だというのだ。
「鉄砲に加えて馬ですから」
「まさに無敵ですな」
「城攻め以外平らな場所での戦いではまさに破竹です」
その勢いで勝っているというのだ。
「流石にその数は少ないですが」
「それでもですな」
「東北で敵なしになろうとしています」
「では東北も」
「蘆名は負けるでしょう、最上はわかりませぬが」
東北の有力な家である、特に最上家は伊達家と縁戚、政宗の母が最上家の出であるがそれと共に長年の仇敵の関係にある。
「東北の覇者になります」
「ですか」
「伊達家は水色です」
明智は伊達家の色の話もした。
「東北は水色になるでしょう」
「そして九州もですな」
「島津家もまたかなりの強さです」
そもそも薩摩隼人自体が強い、一騎当千の猛者ばかりだ。
しかもその猛者達になのだ。
「尚且つ織田家の様にです」
「鉄砲を多く持っていますか」
「そもそも鉄砲が伝わった種子島は島津家の領地です」
その種子島を治める種子島家にしても島津家に従う国人である。
「ですから」
「鉄砲には縁が深いですか」
「ただでさえ強い者達に鉄砲まで備わっては」
「無敵ですな」
「だからです」
島津家も勝っているというのだ、やはり破竹の勢いで。
「あの家もまた、です」
「九州を席巻しますか」
「大
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