第四幕その一
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らなかった。革命の忌まわしい落とし子の跳梁だけは避けなければならなかったのだ」
シェニエも最初からそれに気付いていただけではない。それは革命が進むにつれ出てきたものであったからだ。
「彼等は真の革命の子達ではない」
彼はそう考えていた。
「彼等の陰に我々は今後も苦しめられるかも知れない。それがあまりに危険なものであるだけに」
不幸にしてその危惧は的中した。人間はそれからもこのジャコバン派の後継者達により多くの血を流すこととなったのだ。
ソ連がそれである。ソ連の実態はマルクスではなかった。このジャコバン派そのものであったのだ。
「貴族を殺せ!」
「革命の敵は一人残らず抹殺しろ!」
彼等は口々にそう叫んだ。そして反対する者を一人残らず殺していった。
ナチスもである。彼等もまたジャコバン派であった。
「劣等民族を殺せ!」
「ナチスに逆らう者は生きる必要がない!」
彼等もまたロベスピエールを戴いてた。スターリンでありヒトラーだ。そしてこの二人の独裁者により人間の歴史は大いに狂わされることになる。彼等は敵を追い求めていた。そして常に革命を欲していた。ナチスが民主主義でないようにソ連もまた民主主義ではなかった。忌まわしい全体主義であった。そう、ジャコバンは全体主義であったのだ。到底民主主義と呼べるものではなかった。
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