TURN77 虚脱状態その四
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「まあとにかく明るいことやってみるか?」
「そのことを考えていくか?」
「そうあるな」
アメリカと中国はフランスの言葉に顔を向けた、だがやはり結論は出ずに。
「ううん、失敗は許されないからな」
「慎重にいくべきあるが」
「少なくとも今は答えが出ませんな」
宇垣もここはそうだと見た、それでだった。
一旦話を打ち切ることにしてこう一同に言った。
「ではこの話は今はこれで終わりましょう」
「そうしますか」
「はい、そうしましょう」
宇垣は己の祖国に述べた。
「それでなのですが」
「次の議題ですね」
「アステカ帝国との戦争は間近です」
さしあたっての相手とのことだった。この国のことを忘れてはならなかった。
「この国は伊勢志摩と関係が深いです」
「あっ、そうなのよ」
ムッチリーニもここでこのことに気付いて言う。
「スペイン君があそこに冒険に行ってね」
「そうです、交易も行っています」
このこともあった。
「だからです」
「伊勢志摩と国交を結ぶの?」
「出来れば我々の陣営に来て頂きたいですが」
「ううん、それはどうかな」
ムッチリーニは宇垣の今の言葉に懐疑的に返した。
「若し伊勢志摩を枢軸にしたらね」
「オフランス方面から連合国が来るというのですか」
「戦線がまた出来るけれど」
ムッチリーニが言うのはこのことだった。
「そうなってもいいの?」
「それは問題ですな」
宇垣もそのことに気付いた。
「確かに」
「そうよね。だからね」
「枢軸に来て頂くのは」
「よくないんじゃないかしら」
「ですが伊勢志摩に加わって頂くと」
「うん、アステカ帝国との戦いが有利になるよね」
「だから是非にと思っているのですが」
宇垣の考えにも一理あった、そしてムッチリーニの考えにも。両者の考えはここでは拮抗していた。
その二人の意見を聞いて日本が言った。
「では、ですが」
「祖国殿、何かお考えが」
「伊勢志摩とは同盟を結び」
そうしてだというのだ。
「そのうえで伊勢志摩には中立を守って頂きましょう」
「枢軸と同盟を結んでもですか」
「連合国との戦いには加わらないということで」
これが日本の提案だった。
「アステカ帝国との戦いに参加して頂いて」
「ふむ、そうしてはどうかと」
「はい、これはどうでしょうか」
「よいですな」
宇垣も頷くまでだった。
「そのお考えは」
「ではそれで」
「はい、伊勢志摩とアステカはそれでいきましょう」
「もう主力はテキサスに集結しているからな」88
フランスが言う。
「何時でも迎え撃って攻め込めるからな」
「有り難いことに」
「ああ、外相さんも来たらどうだい?」
フランスは宇垣にこう提案した。
「こっちにな」
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