暁 〜小説投稿サイト〜
やはり俺の青春ラブコメは…間違ってるのかなぁ
こうして俺の物語が終わり、始まる
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ないようにしよう。
 部活も変わったもので、皆からの非難もある特別な部活だから厄介なものを一つに集中させる場所として特別棟と名付けたのか?確かに奉仕する部活なんて聞いたこともない。どうでもいいことを考えていると急に雪ノ下が席を立ち、こちらを振り向く。

 「……持つ者が持たざる者に慈悲をもってこれを与える。人はそれをボランティアと呼ぶの。途上国にはODAを、ホームレスには炊き出しを、モテない男子に女子との会話を。困っている人に救いの手を差し伸べる。それがこの部の活動よ。理解できたかしら」
 雪ノ下はこちらを上から目線で説明をした後に、黒い髪をかき上げて腕組みをする。
 「ようこそ、奉仕部へ。歓迎しなくもないわ」
 歓迎してんのかしてないのかどっちなんだよ。て言うか全然歓迎されてないだろ。こいつは間違いなく問題児だ。恐らく俺もそうだ。実際、矯正するために来させられた訳だし……厄介なやつを生徒指導の平塚先生に報告され、平塚先生がそれらを一カ所に固めた。つまりこれは隔離されてるんじゃないだろうか。……隔離病棟かよ。

 でも良く考えなくてもクラスで仲良くっていうか関わってないし、そもそも俺にとっては学校自体が隔離病棟なわけで……何それ、既に隔離されてんじゃん……人生隔離生活か。言ってて悲しくなるな……。
 もう一度この部室を眺めた。夕日が照らすこの教室は無造作に積み重ねている椅子と机があり、人も現時点で2人と少ない。会話は愚か視線を交わすことも無い。上位カースト付近の連中がこれを見ると寂しそうとか静かすぎだろっとか思う。もしもそれが自分の周りに起きたなら自分の話がつまらないと思われたくない為に大声をあげて無理にでも会話しているのだろう。でも俺たちは違った。会話も視線を交わすことも無く、そのことに対して何にも思っていない。気にかけることも無く、窓から風が入ってきてカーテンが揺れた音と雪ノ下の読んでいる文庫本のページをめくる音しか聞こえない。しかしそれは何処となく心地よかった。
 俺は普段から家でもクラスでもどこであっても騒がしいからこの静けさを感じることがそれほど多くなかった。俺は静かで落ち着ける空間が好きなのだ。だからこそ、この静かな空間が俺にとってはとても清清しい。それは恐らく相手の雪ノ下もある意味そうだろう。この空間を何とも思わずただ、文庫本から眼を離さず、ページをめくる。まぁ、ただ見たくないほど気持ち悪いとか、いない者扱いされているのかもしれないが……。
 この部活内容は要するに生徒のお悩みの解決もしくは補助をする部活だろう。確かにそう聞こえるとすごく良いように感じる
 でもきっと俺はこの部室に来たいと思うことはまずないだろう。しかし、しぶしぶでも行かないと平塚先生の鉄拳が飛んでくる。暴力的解決は良くないと思うのは俺だけだろうか。俺が
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