こうして俺の物語が終わり、始まる
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入れすぎだろ…
「ごほっごほっ……生徒相手に力入れすぎですよ……」
「私は誰が相手でも引けを取らないからな」
「…まぁ、交際関連は引けを取って」
「撃滅の……」
俺は体中から嫌な冷汗が流れるのを感じて今すぐこの状況を訂正するように思考をフル回転させた
「いませんし、むしろ美人過ぎて近寄れないって人が多いからかもしれないですねっ!」
すると睨むのを止めずにすっと拳を収めた。本当にマンガの見すぎだろ。そして俺は平塚先生に見えないように安堵の息を吐いた。するともう一度、平塚先生はプリントへと視線を落して
煙草をくわえたままプリントを読み返している
「とりあえず、再提出だ」
「まぁ…それが普通でしょうね」
俺は直ぐに書き直してすぐに帰る為プリントを奪おうとするがひょいっと後ろにプリントを置かれた。
「…そうだな…君は友達はいるのか?」
「……特にこれぞ友達だ!ってやつはいませんけど…」
「だろうな」
この人普通に「友達いないの知ってますけど?」みたいな顔しやがって……ってわかってるなら言わせるなよ……悲しくなっちゃうだろ。
「では何故いつも遅くに下校しているんだ?」
あぁなるほど。そういうことか。ならば教えてやろう。
「大した理由じゃないですけど俺が上の階にいて、リア充どもは校門付近にいるから普段の怒りと憎さを合わせた呪詛を邪魔なく唱える事が出来るんですよ」
「最低だな、お前は」
普通に引かれた。別に大したことじゃないと思う。いつも帰りに上位カーストがうるさく帰っているのでそいつらが帰るまで帰らずにそいつらに向けて呪詛を唱えることとか誰にだってあるだろ?…ないか。
「そうだな、では彼女はいるのか?」
「お、俺は上位いにるカーストらの悪とは対照的な正義の代表者ですから、なるべく彼女とかは作らないようにしてるんですよ」
「そうかそうか…」
同情込みの蔑まれた眼で見られた。その同情はやめてくれ。平塚先生と一緒にしないでください。しかし平塚先生の目下には小さな涙が溜まっていた。…何だか平塚先生が可哀想になってきた。すると何かを決めたのか。「よしっ」と呟いてソファから腰を上げる。
「よかろう。ではしばしついて来たまえ」
そう言うと平塚先生は立ち上がって職員室のドアを開けて廊下を歩き出した。今のうちなら逃げれると算段して反対方向へと静かに足を向けた途端にワイシャツの襟を捕まれ、引きずられながら平塚先生は歩き出した。
◇
そうして連れてこられたのが特別棟だった。あまりいい予感はしない。あと、平塚先生も逃げることは無いと思ったのか手を離して前を歩いている。もう痛いのは嫌だから逃げるのはやめよう。
「…
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