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世界は荒んでいた。
アラガミに食い荒らされ、ボロボロになって。
人々はアラガミを恐れ、忌み嫌った。
俺もそうだ。
アラガミなんて、絶滅して消えてしまえばいいと思っていた。
だが、あるアラガミが、
『イタダキマス、ダナ!』
ある「少女」が、そんな俺の考え方を変えた。
それは小さな可能性の1つ……それでも。
それでもその可能性は、
とても愛おしく、強い輝きを持って、
小さな林道花の蕾のように、俺の心に芽生えた。
それは、とても新しい可能性として。
「アラガミと共生したい……と」
俺はそう考えるようになったのだ。
いつかきっと……そうなればいいと。
「なる程、特異点と呼ばれるアラガミが、人類というアラガミだった訳か」
「あぁ、そうなるな。ヨハンはそれを利用してアーク計画を実行しようとした」
「へぇーっ……なんか、SF映画みたいだね」
「俺からすりゃこの世界がSF映画だよ」
リュウジは苦笑い混じりにツっこんだ。
「互いの世界がこうも違うとはな」
俺がそう言って考え込んでいると、シズルが画面を覗き込んだ。
「そろそろガーディアンズコロニーだな」
「……コロニー?」
何か嫌な予感がし、窓から外を見ると……
「な、何だこりゃ!?」
見渡す限りの星の海。
輝く太陽に、青い惑星。
飛び交う巨大なシャトル。
「ううううううう宇宙、なのか!?」
「そうだよ? 当たり前じゃん」
「当たり前な訳あるか! 一体いつ出たんだ!? 宇宙に出る時ってのは、普通ものすごい重力がかかって……」
「いや、だってこれシャトルだし」
エミリアは困ったように返す。
「信じられない……無重力とかってのはどうなんだ?」
「うーん……私達にも分からない」
「分からない? 自分達の事なのにか?」
「そんな事言われても、あんまりにも当たり前だったからなぁ」
不思議そうな顔をし、エミリアはシズルは見る。
「僕にも分からないよ。なる程、そう考えると確かに不思議だな」
自分達の事を熱心に勉強するリュウジには、それは信じられない事だった。
「……夢みたいだな」
宇宙空間を眺めながら、思わずリュウジは呟く。
何せ、自分が宇宙へ行くなどとは一切考えていなかったからだ。
「アーク計画の時、仲間の一部が宇宙に逃げたが、やはり加重や衝撃は凄まじい物だったと聞いた」
脳裏に、支部長との最後の戦いがよぎる。打ちあがるロケット、立ちふさがる一対のアラガミ、そしてシオ……。
「それに、無重力空間では自分の体は浮
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