暁 〜小説投稿サイト〜
グラールの神機使い
1-1
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「てめぇに用は無ぇ!」

 邪魔をしてくるヴァジュラテイルを早々と斬り倒し、素早くコンゴウへと視線を向ける。

 腐りかけた教会の中、彼はブルーの刃を振るっていた。

 人類の天敵、アラガミ。そしてその天敵、神機使い。ゴッドイーター。

「これで終わりだ!」

 雑魚を一通り倒し、残るのはコンゴウ一匹のみ。

 彼は神機を構え直し、激しく威嚇するコンゴウと対峙する。

「はぁぁぁぁっ!」

 そして一気に踏み込み、振り下ろされた拳をかわしながら刃を振り上げた。

 冷気を発する刃が、コンゴウの皮膚と肉を切り裂く。

 裂けた皮膚からは血が溢れ、吹き出した。

 さらに素早く背後に回ると、その背を台にして飛び上がった。

「そこだ!」

 そして、全身を回転させ、勢いのまま振り下ろす。後頭部に致命傷を負ったコンゴウは、音を立てて崩れ落ちた。

「ふう……遊びにしても、この程度じゃつまんねぇな」

物言わぬソレから剣を引き抜く。そして大きく振り抜き、血糊を吹き飛ばした。

「さて、と」

 そして神機をコンゴウの亡骸に向けて構える。

 すると、刃の根本から黒い肉のようなものが盛り上がってきて、メキメキと音を立てながら、獣の頭のような形態を取った。

 そして、そのまま神機を突き立て……獣は、コンゴウの亡骸に食らいついた。

 獣は一通り肉を食い終えると、満足げに神機の中に戻って行った。

 そして、神機のグリップの根本部分。黄金の球体が、輝きながら頭を出した。

「んだよ、大したとねぇな……ん?」

 取り出した物体を見ていた時だ。彼は、奇妙な物に気が付いた。

「なんだ……?」

 それは空中に浮いた「穴」だった。

「なーんで空中に穴があくかね……そんな事ってありえんのか?」

 紛れもなく穴。小さいが、空中にあいているそれは、ヒュウヒュウと音を立てて空気を吸い込んでいるようだった。

「んー、オラクル細胞のダマ……って事はねぇよな」

 試しに剣先でそこをつついてみる。

「お、お?」

 すると、穴の周辺の空間がパリパリと割れ、吸い込まれていく。

 同時に、彼の足元に落ちていた小石が、その穴に吸い込まれていった。

 するとたちまち穴が広がり、紫色の巨大な空間に膨れ上がった。

「うおっ!?」

 周りの物をどんどん吸い上げ、更に吸引力を上げる空間……思わず剣を地面に突き立て、それに掴まる。

 すると、下半身が持ち上がってしまった。ザイゴートなどの小さなアラガミの亡骸が、その穴に吸い込まれた。それほどの吸引力だ。

「じょ、じょ、冗談じゃねぇ!」

 ゴッドイーターとなって強化された体でも、さすがに
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ