第27話 主人公補正は健在のようです
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この星の為。』」
「全ては、我が同胞の為。」
「そして全ては、自分と、自分の愛する者の為に。」
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Side エルザ
あれから、八日。私は今日、魔法世界の安寧の為に死ぬ。
・・・いいえ、元老院の代わりに『父王殺し』の罪を被せられ、殺される。
――私は元々、第三王女だった。それがあの日、クーデターでアリカの父・・・
旧国王が死んだ事によって、私は第一王女となった。
・・・・・そう、クーデターを起こしたのは、私の父だった。
勿論、最初は知らなかった。王が死んだのなら、普通は第二王位継承者が王になる筈で。
子供ながらに疑問に思ったけれど、その時はただ嬉しかった。
――――アリカに、勝てた気がしたから。
「あー、ゴッホン!『これより、ウェスペルタティア王国元第一王女、
エルザ・ファミリア・エル・プレミロディオル並びに、
『白帝』愁磨・P・S・織原の処刑を行う!!』」
ウェスペルタティアは最古の王家と言われていて、特殊な魔法を使えた。
けれど、力だけの王国がこうも長く続く筈がない。ウェスペルタティアの真の力はその政治力。
そして、アリカの家が最も政治力に長けていて、私の家が最も"力"に長けていた。
その為、私の家は代々将軍の位に就いていたのだけれど、父はその不満を、常に漏らしていた。
『力を持つ者が王になるべき』だと。『政治だけの家は宰相になるべき』だと。
当然、歴史と同時に生まれた事を変えるのは難しくて。
――そして遂に、アリカの父も、他の王族も大勢殺してしまった。
「『彼の者の罪は以下四つ!!
一つ、父王殺し。一つ、戦争の原因である『完全なる世界』との関与』」
王になった父は、魔法世界を統一しようと――『完全なる世界』、敵を頼り利用されて。
そして死んでいった。
愚かだと思う。それに、本当に身勝手。
・・・それでも、父なりに誇りを持って、魔法世界の事を考えて。
家族には優しくて、厳しくて、強くて。だから、父は今でも、私の誇り。
だから、せめて。
私の手で、両親を殺されたアリカの手で、引導を渡したかった。
でもそれは、今目の前に居る外道共のせいで叶わなかった。
挙句、私自身もそいつ等に利用されて。
「『一つ、王国崩壊時の情報提起の怠慢。
一つ、これによる人民への被害と世界規模の混乱を起こした事!!』」
―――でも、この選択に、間違いはないと思う。
父も、私も、アリカも愛するこの世界の為に死ねるなら。きっと、私の死にも意味
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