第27話 主人公補正は健在のようです
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Side 愁磨
「暇だ〜暇だ〜♪ひっまっで、し〜に〜そ〜お〜〜♪」
「ひどい歌……。とりあえず、天井に座るのはやめてください。」
「……へ〜い。」
一年以上も一緒に居たせいか、最近はエルザさんの遠慮がすっかり無くなった。
・・・まぁ、それも上辺だけ。
兵士が持って来る情報を聞くたびに、エルザさんは最初の気概を無くして行った。
『ナギが、絶対に助けてくれる――愁磨さんは何を考えているか分からないし、
ここに居る事自体、意味が分からないのだけれど。』
最初は、助かりたい、助けてくれる、大丈夫。そんな事を言っていたのに。
『私が死ねば―――少しは、世界が平和になるのでしょうか?』
最近は、死ねば、消えれば、罰を受ければ――そんな言葉が増えた。
そしてそれに拍車を掛けているのは――――
「ぎ、議員!このような辺境にわざわざ、ご苦労様です!!」
「うむ、御苦労。話は通してあるから、君は下がっていてくれ。」
ゴゴゴォォォォォン
と重厚な音を立てて、石の扉が開いて行く。
実は前の牢は勝手な事をしすぎて、今のバベルみたいな所に鬱されたのだ。
「これはこれは御二方とも、見るに堪えないお姿ですな。」
大仰なフリをして入って来たのは、先日と違う議員。
毎日風呂には入ってるし、着替えても居るんだが?
「最古の王家の末裔と英雄殿にこの様な仕打ち、心が誠に痛みます。」
カツーン カツーンと足音を響かせ、エルザさんに近づいて行く。
「実は市民の不安を早急に取り除く為に、刑の執行は8日後に変更と
先日の議会で決まってしまいまして……。
我々も、急がなくてはならなくなったのです。」
「……なん、だと!?」
俺の声に優位を取った気になったのか、議員の声が僅かに上がる。
一ヶ月ほどならずれても大丈夫なように計画を進めていたが、
まさか、半年も繰り上げられるとは!・・・前倒しするしかない、か。
「クク…その前に、お尋ねしましょう。
黄昏の姫御子と共に封印された墓所の最奥部……そこに到る方法を、貴方は知っている筈だ。」
・・・ゑ?こいつ馬鹿?ああ、馬鹿でしたね。
いや、知る訳無いだろうが。あそこにエルザさん居なかっただろうが。
「さあ、答えるn(ドゴォォォォォン!!!)」
このゴミがエルザさんに手を伸ばしたその瞬間、間に『嵐脚』で斬撃を飛ばす。
「ヘイヘイヘイヘイ、クサレ寄生虫野郎!!
女性を手荒に扱おうとするなんてどんな漢魂
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