第27話 主人公補正は健在のようです
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。」
「そうですな。アーカードが居ては、陛下にお話を聞く事も出来ませんしな。」
・・・・相変らず、自分が肥える事しか考えていませんね。
そんな事より、オスティア難民の受け入れによる市民の不安増大への対処、
場所の確保、治安保守にも問題が出ているのですから、そちらに目を向けて欲しいですね。
部下にやらせるだけでは無く。私に任せるだけでは無く・・・!!
はぁ・・・。ただでさえ白帝様の敵――もとい的な上に、重労働。
命が惜しいですし・・・仕事、替えたいですねぇ。
Side out
Side ナギ
「おい!しっかりしろ!!今、治してやるからな!!」
エルザと愁磨が捕まってから、もうすぐ一年半。
あれから俺達は旧世界・魔法世界を問わず紛争地帯を回って
被害に遭った町とかに物資を届けたり、今みてぇに怪我してる人の治療を続けて来た。
「あ…、ありがとう、『正義の魔法使い』ナギ……。」
「『治癒』。……これで、もう大丈夫だ。」
俺がそう言うと、女の子は気を失った。
魔法世界だと、こうして魔法を使って直ぐに怪我を治せる。
・・・けど、旧世界だと魔法を迂闊に使えねえ。
使うとしてもひと気がなるべく無いとこを選らばねぇとダメだし、
ひと気があるにしろねぇにしろ、記憶を消す必要がある。
―――そのせいで、一人だけ、助けられなかった。
「詠春、この子をさっきの村まで頼むぜ。」
「分かってるさ。俺だと、気でゆっくり治すしかないからな。任せっきりですまん。」
「いいって。アルが言うには、ホントはそっちの方が良いらしいぜ。」
あの子も、この子みたいに・・・簡単に助けられた筈だった。
あそこは戦場のど真ん中で、周りは人だらけで・・・・・。
とてもじゃねえが、秘匿なんて出来なかった。
走って、走って―――ようやく林ん中に行けた時には、もう手遅れだった。
「じゃあ、ちょっと行ってくるぞ。」
「あ、待ってください詠春さん!クルトから通信です!」
魔法がばれりゃあ、無駄な戦争が生まれる。
魔法の秘匿はそれを防ぐ為だって、お師匠もアルもオヤジも言ってやがった。
たしかに、大を救うためには小を切るしか方法がねぇ。
だが、救える命が目の前で、手の中で消えてくらいなら、いっそ―――――
『皆さん、聞こえますか!!?』
「どうした、クルト。そんなに急いで。」
通信画面のクルトは、なんでか慌てて――嫌な予感がした。
『エルザ様の処刑が、来週に早まったんです!!』
Sid
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