第26話 姫と騎士は離れてしまうようです
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ょ、ちょっと待てよエルザ!!」
――――――――――――!!
バシンッッ!!
「うお!?ちょ、なんだ、これ!おい、エルザ!!」
妾は風・雷・光の結界魔法で空気中に不可視の一室を作りだす。
「案ずるな、五分もすれば解除される。」
言い残し、責務を果たす為に歩き出す。
「エルザあああああああああああああああああああああ!!!」
ナギ殿の叫びを背に、階段を下りて行く。
悲しみに浸っている時間など無い。もうすぐ、この王国は滅ぶ。
「故に、妾は自分の使命を――(スパァン!)きゃう!?」
思い耽っていると、う、後ろから誰かに叩かれました。
「だ、誰ですか!?無礼ではありませ―――」
「責務とかくっだらねェ事言ってんなよ、エルザさん。」
怒りながら振り向くと、そこには愁磨さんがいました。
Side out
Side 愁磨
「随分男を弄んでますなぁ、お姫様。」
「しゅ、愁磨さん?何故ここに―――!!
ぶ、無礼であろう、貴様!妾を誰だと思っておるn(デシッ)あぅぅぅ……。」
女王モードになったエルザさんにチョップをかまし、再び通常モードに直す。
「似合わね―ンだからやめとけって。
エルザさんは何時も通りにこやかに笑ってりゃ良いんだよ。
まぁ、今はどうでもいいか。ほら、時間ねえんだから早くしろよ。」
額を押さえながら「?」と言う顔で俺を見てくる。
「?じゃねえよ。ここら一帯落ちちまうんだから、とっとと避難させんぞ。」
「な、なんでそれを!?ま、まさかアリカが―――」
「アリカは知ってるだろうが誰にも言わねえだろうよ。
個人情報だから秘密にしないといけないのです。」
埒が明かないので、エルザさんを抱え転移する。
「あ、愁磨さん!エルザ陛下を―――陛下!!?」
「よっす、クルト。ガトウはどうした?」
俺が転移した避難誘導本陣(?)近くに、丁度クルトが居た。
「え、えと、師匠なら中で指示を出していますが。」
「了解。俺は先に貧民島の人達避難させっから、お前らは五分以内に出発して
避難誘導始めとけ。」
「ハ、ハイ!分かりまs……ど、どうして愁磨さんが!?」
「クルト。その情報は今必要な事か?」
「あ――、いえ!失礼しました!!では僕は師匠に伝えて来ます!!」
クルトは一瞬言葉に詰まるも、直ぐに立て直し走って行った。
うん、クルトはタカミチより判断早いし行動力もあるんだけど、如何せん効率主義的だからな〜。
そこら辺を上手くしてやればかなり有能に―――っと、
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