屋上にて
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の正当防衛は正当防衛じゃない」
その声にまたもその場にいた全員が頷いた。
「まぁそうだよなぁ。さすがの俺様でもあんなんくらったらひとたまりもないぜ」
「くらいたいとも思わないけどねー」
岳人と卓也が言うがそれに対し千李は軽く返答する。
「まぁ全然本気出してないけどね〜」
そのあとに「殺気は結構出したけど」と加えたがその前の発言にみんなの口が開いたのは言うまでもない。
そのあとはまたいつものように登校する一同だったが千李の頭の中はおいてきた瑠奈のことでいっぱいだった。
時間はたって昼休み。
千李は一人屋上で朝瑠奈が作ってくれたおにぎりを食べていた。かなり大きくて塩がちょっとしょっぱいぐらいだが千李はそれを美味しそうにほおばっていた。
食べ終え千李はゴロンと寝転がると空を眺めた。
「瑠奈はちゃんとやってるかしらね〜」
一人ごちているとドアが開く音が聞こえ、千李はそちらを見やる。
そこにいたのは白髪の少女だった。
少女は少しの間ボーっとしていたが蝶を見つけるとそれを追いかけ始めた。
「チョウチョー」
千李はそれを不思議そうに見つめていると少女に話しかけた。
「蝶すきなの?」
「んー?」
ふと聞こえた声に少女は振り返ると答えた。
「別にー」
そう答えた少女は千李に聞いた。
「あなただれー?」
「私は川神千李。武神の姉よ」
答えに対し少女は納得したのか頷いた。
それを見た千李が少女に聞く。
「そういうあなたは?」
「僕は榊原小雪だよー。トーマたちからはユキって呼ばれてるー」
「そう」
……トーマっていうと2−Sの葵冬馬かしらね。
千李が考えていると小雪が近寄り千李のにおいを嗅いでいた。
「スンスン……。いいにおいがするー」
小雪はそういうと千李にぴとっとくっついてきた。
くっついてきた小雪を千李は軽くなでる。
……なんか妙に気に入られたっぽいけど。
においといわれたので千李は自分で嗅いでみたがあまり変わった匂いはしない。
するとまた扉が開き今度はめがねをかけた少年がやってきた。
……この子がたしか葵冬馬だっけ?2−Sの大和ポジだったか。
「こんなところにいましたかユキ。おや?貴女は確か川神千李先輩ですね」
「ええ。そういう君は葵冬馬くんだっけ?」
千李が聞くと冬馬は小さく頷いた。
「はい。ですがなぜ貴女が私の名前を?」
「そりゃあ、あの葵紋病院の跡継ぎでしょ?知ってるわよ」
そういった瞬間冬馬の顔にかげりが見えたが冬馬はすぐに返した。
「そうですね。そ
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