第25話 夢
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終わっている訳では有りません。
取り敢えず表面上に変わりは有りませんが、俺の言葉を聞いた有希からは、真剣な、そして、やや緊張したかのような雰囲気が伝わって来ていた。
この反応は、俺の言葉を聞く準備はちゃんと整っていると言う事。
「あのムカデは、おそらくやけど、自然発生した化生ではない」
有希の様子は……。雰囲気だけで説明すると、流石に驚いている。
但し、それも当然の反応。そして、自然に発生した存在でないと仮定すると、
「先ず、蠱毒と言う外法を知っているか?」
俺の質問に、ひとつ首肯く有希。そして、
「蠱毒とは、古代に於いて用いられた呪術の一種」 と答えた。
「正解。まぁ、虫や小動物を用いて共食いをさせ、最後に残った一匹を用いて呪詛を行うと言うのが蠱毒の法やな」
蠱毒とは、毒や怨念などの、負の気の集まった危険な呪法の事。正や陽の気の神獣である俺とは、非常に相性が悪い。
「それで、古来より、化けムカデの出現例はない事もないと言う程度の存在。そして、そのどれもが、単体のみの出現で、複数体の化けムカデが同時に現れた例を俺は知らない。
普通、ムカデはツガイで現れる、と言う話が有るにも関わらず」
普通は、その本性がムカデであるのならば、それが例え化生となったとしても、ムカデとしての属性から逃れられる事は有りません。
いや、むしろ化生と化した後の方が、化生と化す前に持っていた属性が顕著に現れる場合の方が多いはずです。
しかし、ムカデだけは、その例にイマイチ当て嵌まる事のない珍しい存在。
「単独で存在している、自然のムカデなんぞ、俺は見たことがない。ウソやと思うのなら、森の中で腐った木や、何層にも重なった枯葉の層を掻き分けて見たらええ」
もっとも、見つけたら、見つけたで、そんなに気持ちの良い物では有りませんが。
「それに、そんな目撃例の異常に少ない化けムカデが、ソレを偶然苦手にしている龍種の俺の目の前に現れるやなんて、確率的に言うとかなり低い確率と成るのは間違いない」
これは普通に考えると、偶然の出来事と考えるよりは、必然と考えた方が正しい。
まして、俺には敵が居ますから……。
ただ……。
ただ、これは羅?星が直接、策を弄した結果とも思えません。何故ならば、ヤツが顕われるのは、もっと先のはず。
それに、そもそも、龍種の俺が動いている事を、羅?星や計都星が気付いているとも思えませんから。
羅?星や計都星が気付いていない。更に、俺の周りを奴らの配下の魔星君が嗅ぎまわっていたのなら、俺か、少なくとも水晶宮の方が気付いて、俺たちに対して警告を発して来るはずです。
そう考えると、今
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