魔法先生ネギま!
0301話
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「アクセル君、起きて下さい。朝ですわよ」
意識がまだ沈んでいる中、俺を呼ぶ声が聞こえる。レモンか? 今は眠い。もう少し寝かせてくれてもいいだろうに。
「レモン、もう少し寝かせてくれ」
「……レモン?」
ん? そもそも今はどういう状況だ? 確かヴィンデルとの会議……いや、違う!?
自分の口走った言葉を自覚し、瞬間的に覚醒する。
そして目の前にあるのは、いつものようにキスをする寸前のあやか。だが、いつもと違うのは俺が回避する前に固まっている所だろうか。
「……」
「……」
お互いに無言で10秒程見つめ合う。その間に俺は寝る前の事を次第に思い出していた。確かエヴァとネギの戦闘が終了した後に、橋の上で30分程話していたのだが夜も遅くなってきたので結局その場で解散となったのだ。よく考えてみれば分かるのだが、停電が終了したのが夜の12時なのだ。それから30分程話して寮に帰ってきてから千鶴への説明を終えた時には既に2時近くになっていた。
そして俺は身体が子供になった影響か、眠気に抗う事も出来ずにそのまま眠ってしまい半ば寝不足な状態でたった今目が覚めた訳だ。
「あー、えっと、どうした?」
何故か半ば呆然と俺の様子を見ているあやかへと声を掛ける。
いつもなら朝の挨拶と称してキスを迫ってきたりするのだが、それも特に無い。
「アクセル君が……アクセル君が……寝取られてしまいましたわぁぁぁっっ!」
この部屋どころか、隣の部屋まで響き渡るような悲痛な叫びを上げるあやか。
と言うか。
「人聞きの悪い事を叫ぶな!」
神楽坂から貰ったハリセンをあやかの後頭部へと叩き付ける。
スパーンッといい音が周囲に鳴り響く。
「あらあら、どうしたの? 今朝はやけにいい音をさせてるみたいだけど」
既にお馴染みとなった若奥様のようなエプロン姿の千鶴がこちらへと顔を出す。
「いいんちょも朝から突っ走ってるねぇ」
千鶴の隣には、既に制服に着替え終わった夏美の姿もある。
「千鶴」
その一言で俺の聞きたい事が分かったのかニコリと笑みを浮かべながら頷く千鶴。
「大丈夫。大河内さんの言ってた通り特に後遺症もない、いつもの夏美ちゃんよ」
「むぅ。アクセル君もちづ姉もどうしたの? 今日は朝から随分と私の事を気にしてるけど」
「いや、何でもない。……それよりあやかは元に戻ったか?」
ハリセンを既に定位置となっているベッドの枕元へと置きながらあやかを軽く揺すると、幸いな事にすぐにこちらの世界へと戻ってきたらしい。
「……はっ!? あら、私は一体……? 確か何か重要な事を聞いたような?」
「あらあら、あっちの世界に行くのはいいけど朝食の準備が出来てるわよ」
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