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駄目親父としっかり娘の珍道中
第13話 早起きは三文の得、夜更かしは三文の損?
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満ちた目をした時を。新八は知っていた。普段はだらしない銀時だが、決める時は決める真の侍であると言う事を。

「銀ちゃんは駄目人間かも知んないけどなぁ。あれでもやる時ぁやるんだよ。それも知らない赤の他人が、勝手に駄目人間だのほざくんじゃねぇヨ! そんなにほざきたかったら、まず銀ちゃんを知るべきネ! 話はそれからヨ!」

 神楽もまた知っていた。銀時の心の奥にある優しさを。そして、温かさを。
 侍でもあり、一人の人間でもあり、また、父親でもある。そんな銀時の人間らしい優しさ、父親らしい温かさを神楽は知っていたのだ。

「銀さんが何かに躓いたら僕達が起こして立たせる」
「銀ちゃんが挫けたら私達が殴って叱咤して奮い立たせる!」
「「それが万事屋銀ちゃんなんだよコノヤロー!」」

 声を揃えて自信を持って叫んだ。揺ぎ無い思いが其処にはある。その魂の叫びに、アルフは心を打たれた思いがした。もし、自分達の思っていた通りの人間だったなら、あの二人は此処まで銀時に尽くすだろうか? 此処まで銀時を信頼するだろうか? 否、絶対にない。
 だとするなら、もしかしたら銀時は本当はどんな人間なのだろうか?
 本当にフェイトや自分が思っていた通りの鬼なのだろうか? 
 その答えを迷っていた時、後方で激しい音と衝撃が伝わってきた。何事かと思い振り返ると、其処には地面に叩きつけられたフェイトと、叩き付ける銀時が居た。

「ふぇ、フェイトォ!」
「銀さん!」

 双方が双方の名前を呼ぶ。そして、そんな一同の前で、銀時が木刀を振り上げていた。月夜に照らされるように、洞爺湖と掘られた一振りの木刀が天に向かい翳された。そして、その狙いを地面に向かい押さえつけているフェイトに向けていた。

「や、止めろぉぉぉ! フェイトを離せぇぇぇ!」
「銀さん! それ以上は駄目だぁぁ! やっちゃいけませんよぉぉ!」

 アルフ、新八の両名が叫ぶ。だが、銀時は全く聞く耳を持ってない。見れば、銀時の目は完全に狂気の目になっていた。顔全体が怖そうな位に歪んでおり、邪悪ささえ感じられる。今の銀時なら、容赦なくフェイトの後頭部に木刀を突き刺すだろう。
 皆が必死に止めに向うが、間に合わない。銀時の木刀が唸りを上げてフェイトに向かい振り下ろされた。

「止めて、お父さん!」
「!!!」

 突如、横から声が響いた。銀時の木刀がフェイトの後頭部からほぼ数センチで止まる。その声を耳にしただけで銀時の狂気は消え去った。ゆっくりと、銀時は声のした方へと首を向ける。
 其処に居たのはなのはだった。何時から其処に居たのか。銀時の方を見ている。その目は潤んでいた。その潤みが何なのか、銀時には理解出来ていた。

「なのは……お前……」
「もう止めてよお父さん。フェイトちゃんは
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