第13話 早起きは三文の得、夜更かしは三文の損?
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度アルフの口を挟みこむように木刀を横に持ち構える。
口の前に木刀が邪魔をする形でそれを防いだのだ。
「し、新八ぃ!」
「アルフさん、貴方の言い分は分かりますよ。あの子は、なのはちゃんは誰に対しても平等に優しい子だ。あんなちゃらんぽらんな銀さんの娘だって言ったら誰も信じませんよ。でも、幾ら貴方達にとってなのはちゃんが必要だと言っても……僕達にも、なのはちゃんの存在は必要なんだ! だから、貴方達がそう出るのなら、僕もそう出る! そっちが力づくでなのはちゃんを取り戻すのを拒むって言うのなら、僕も力づくで、なのはちゃんを取り戻す!」
断言し、木刀を振るった。その拍子にアルフの巨体は後方へと飛び退く。牙を見せて低く唸りを聞かせる。それを聞きながらも新八は全く動じず木刀を構えた。
「何で、何であんたはあの駄目人間と一緒に居るんだい! どうして、あんたらはあんな駄目人間と一緒に闘おうとしてるんだい!?」
「知らないなら教えてあげますよ。確かに銀さんは駄目人間ですよ。金銭感覚もないし、大金が入ったら全部使いきっちゃうし、給料もまともに払ってくれない。でも、それでも、銀さんは今まで僕達の事を助けてきてくれたんだ! 僕に侍の魂を教えてくれたんだ! だから、僕は銀さんの側に居る。銀さんと一緒に万事屋をやってるんだ!」
「私も同じネ!」
神楽も新八の横に立ち、傘を振り翳して声を挙げた。
「銀ちゃんと一緒に居ると毎日が楽しいネ! 銀ちゃんはこんな私でも家族みたいに思ってくれてたヨ! 他行ったら私用心棒にされたり化け物扱いだったネ。でも、銀ちゃんは違った。銀ちゃんは私を仲間として見てくれた! だから私は銀ちゃんと一緒が楽しいから一緒に居るんだヨ! だから、私は万事屋に居るんだヨ!」
新八と神楽の心の叫びだった。二人共銀時が好きだからこうして一緒に居るのだ。例え給料を払ってくれなくても、邪険に扱われたとしても、それでも、銀時は二人が危険な目にあった時、必ず助けてくれた。必ず手を差し伸べてくれた。だから、だからこそ、二人は銀時の側に居るのだ。銀時と共に居たいのだ。
その絆こそが、万事屋銀ちゃんなのだ。そして、その万事屋銀ちゃんにはもう一人大事な存在が居る。それがなのはなのだ。
銀時が拾い、育てた大事な娘。銀時自身は疫病神と罵っているが、実際はとても大事に思っている。そうでなければ、此処まで苦労して探す事など有り得ないのだ。
銀時も、立派な一人の父親なのだ。
「あの男が……あの駄目人間が……」
「確かに側から見たら銀さんは駄目駄目の駄目人間ですよ。でも、銀さんは心の底まで駄目なんじゃない。心の底では、熱い侍の魂が息づいているんです!」
新八は知っていた。普段は死んだ魚の目をしている銀時が、ほんの一瞬だけ熱い闘志に
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