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駄目親父としっかり娘の珍道中
第13話 早起きは三文の得、夜更かしは三文の損?
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の懐に一瞬で近づいて音もなく切り裂き敵を倒す。しかし、それは銀時も同じと言えた。接近戦でなら銀時も得意な面でもある。その為、接近戦対接近戦の戦いが行われていた。

「はぁぁぁ!」

 雄叫びと共にフェイトが乱舞の如くバルディッシュを縦横無尽に振るっていく。その速さは飛ぶ鳥を落とす勢いだったと言える。振り切った動作を見た頃には胴体が真っ二つになっていた。と言う位の速度だ。
 されど、それを銀時はかわしていたのだ。身を翻し、時には木刀でいなし、捌き、かわしていく。幾ら神速と言っても当たらなければ扇風機の羽と大差ないのだ。

「舐めんじゃねぇぞ! 幾らてめぇが早くてもなぁ。来る方向が分かりゃかわすのは簡単なんだよ」
「くっ!」
「今のてめぇなんざ相手にするよりも扇風機の回ってる羽根に手ぇ入れる方がよっぽど危ねぇや! 何時までも強敵面してんじゃねぇぞ!」

 怒号と共に横薙ぎに木刀を振るった。銀時の木刀の威力は既に知っている。大した事ない威力だ。アルフも結界なしで防げた程だった。
 その油断があった。脇腹に叩きつけられたその木刀の威力の前にフェイトの顔色が変わった。細身の体に木刀の刃がめり込み痛みが迸る。

「ぐっ……づっ!」
「確かに腕力は衰えたよ。だがなぁ、別の力を応用すりゃこうやっててめぇにダメージを与えるこたぁ可能なんだよ!」

 咄嗟に距離を置くフェイト。誤算だった。前に戦った時は圧倒していたと言うのに今回は逆に押し負けている。この男は自分の逆境を物ともしていないのだ。
 力がないのなら別の力を利用して戦う。この男は明らかに自分以上に戦い慣れている。前回の様な圧倒的有利さはなくなっていた。
 そっと、フェイトは木刀で叩かれた箇所に手を置いて確かめた。痛みはあるが骨には響いていない。当たり所が良かったようだ。それに、以下に威力があってもバリアジャケットを纏っているお陰で幾分かは軽減されている。まず殺される心配はない。
 だが、銀時にその類はない。自分の閃光の刃を突き刺せば豆腐を切るように銀時の体を引き裂く事は可能だ。それに、接近戦だけがフェイトの戦法じゃない。

「確かに、今の貴方相手に接近戦は分が悪いみたいね……だけど、私の戦法は地上での接近戦だけじゃないんだよ!」

 そう言うなり、突如フェイトは上空へと舞い上がる。月をバックにバルディッシュを構え、銀時を見下ろす姿勢をとる。そう、フェイトは飛べるのに対し、銀時は飛べないのだ。其処を突いた戦法。つまり、空中戦だ。

「てっめ、汚ぇぞゴラァ! 降りて来いよ。敵わないと悟ったからってお空に逃げるのは反則だと僕は思います先生〜〜!」
「自分にとって有利な場所で戦う。これも戦法の一つだって教わらなかった? それに、お前みたいな駄目人間相手に、手加減なんてしない
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